核分裂反応とは? わかりやすく解説

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かくぶんれつ‐はんのう〔‐ハンオウ〕【核分裂反応】

読み方:かくぶんれつはんのう

核分裂


核分裂反応

(核分裂 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/22 09:55 UTC 版)

核分裂反応(かくぶんれつはんのう、: nuclear fission)とは、原子核が分裂して同程度の大きさの原子核に分かれること。核分裂または原子核分裂ともいう。1938年に、オットー・ハーンフリッツ・シュトラスマンらが天然ウランに低速中性子(slow neutron)を照射し、反応生成物にバリウムの同位体を発見した。この結果をリーゼ・マイトナーオットー・ロベルト・フリッシュらがウランの核分裂反応であると解釈し、fission(核分裂)の語を当てた[1]


注釈

  1. ^ 核分裂反応は確率的に起こるため、他の核種を生成することもあり、反応はあくまで一例にすぎない。
  2. ^ 実際の反応ではウラン235だけでなく核分裂生成物による二次的な核反応等が複数起きるため、必ずしもこの通りの値にはならない。

出典

  1. ^ 小田稔ほか編、『理化学英和辞典』、研究社、1998年、項目「nuclear fission」より。ISBN 978-4-7674-3456-8
  2. ^ 三澤毅ほか、『原子炉物理実験』付録1A「原子炉物理の基礎知識」より。京都大学学術出版会 ISBN 978-4-87698-977-5
  3. ^ 山本義隆『新・物理入門 増補改訂版』駿台文庫、2004年、319頁。ISBN 978-4-7961-1618-3  C7342
  4. ^ 2017年度の家庭のエネルギー事情を知る ~家庭でのエネルギー消費量について~”. 環境省. 2021年4月29日閲覧。
  5. ^ E. Rutherford (1911). “The scattering of α and β particles by matter and the structure of the atom”. Philosophical Magazine 21 (4): 669–688. Bibcode2012PMag...92..379R. doi:10.1080/14786435.2011.617037. http://web.ihep.su/dbserv/compas/src/rutherford11/eng.pdf. 
  6. ^ Cockcroft and Walton split lithium with high energy protons April 1932”. Outreach.phy.cam.ac.uk (1932年4月14日). 2012年9月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月4日閲覧。
  7. ^ Chadwick announced his initial findings in: J. Chadwick (1932). “Possible Existence of a Neutron”. Nature 129 (3252): 312. Bibcode1932Natur.129Q.312C. doi:10.1038/129312a0. http://web.mit.edu/22.54/resources/Chadwick.pdf.  Subsequently he communicated his findings in more detail in: Chadwick, J. (1932). “The existence of a neutron”. Proceedings of the Royal Society A 136 (830): 692–708. Bibcode1932RSPSA.136..692C. doi:10.1098/rspa.1932.0112. http://www.chemteam.info/Chem-History/Chadwick-1932/Chadwick-neutron.html. ; and Chadwick, J. (1933). “The Bakerian Lecture: The neutron”. Proceedings of the Royal Society A 142 (846): 1–25. Bibcode1933RSPSA.142....1C. doi:10.1098/rspa.1933.0152. 
  8. ^ E. Fermi, E. Amaldi, O. D'Agostino, F. Rasetti, and E. Segrè (1934) "Radioattività provocata da bombardamento di neutroni III," La Ricerca Scientifica, vol. 5, no. 1, pages 452–453.
  9. ^ Richard Rhodes (1986). The Making of the Atomic Bomb, Simon and Schuster, pp. 267–270, ISBN 0-671-44133-7.
  10. ^ Hunter, H F, and Ballou, N E. FISSION-PRODUCT DECAY RATES. N. p., 1951. Web.
  11. ^ 日本アイソトープ協会 編『アイソトープ手帳11版』丸善、2011年、126-127頁。ISBN 978-4-89073-211-1 


「核分裂反応」の続きの解説一覧

核分裂反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 22:31 UTC 版)

原子力発電」の記事における「核分裂反応」の解説

詳細は「核分裂反応」を参照 原子力発電先述した通り、核分裂反応を利用した発電である。核分裂反応とは、何らかの要因中性子捕捉し原子2つまたはそれ以上分裂することである。ウラン235中性子吸収起因する核分裂反応を例に取ると、以下のように記述することができる。 235 U + n → 236 U → A + B + ( 2 ∼ 3 ) n {\displaystyle {}^{235}{\rm {U}}+n\rightarrow {}^{236}{\rm {U}}\rightarrow {\rm {A}}+{\rm {B}}+(2\sim 3)n} つまり、ウラン235核分裂結果核分裂片以外にも2 - 3個の中性子発生するのである。この核分裂反応で発生した中性子は、他のウラン235吸収され順々に核分裂反応が起こっていくことになる。この反応核分裂連鎖反応といい、連鎖反応進展程度を示す増倍係数 k が1.0以下の状態を未臨界1.0の状態を臨界1.0上の状態を超臨界という。なお、中性子吸収したウラン235は必ず核分裂起こすわけではなく、約16 %の確率γ線放出した後、ほぼ安定な(半減期の非常に長いウラン236になることがあるまた、核分裂反応時は反応前の質量よりも反応後の質量の方が小さくなる。この質量差がE=mc2関係式に基づき膨大なエネルギーへと変わっている。このエネルギーの殆どは熱エネルギーへと変わり原子力発電ではこの熱エネルギー元に発電するのである核燃料中からの熱除去および発電プロセス必要な要素冷却材である。 核分裂反応で発生する中性子平均エネルギー約1 MeVであり、高速中性子呼ばれる熱中性子炉では高速中性子を核分裂反応を起こしやすい、平均エネルギー約 0.05 eV熱中性子呼ばれる状態まで減速させる必要がある減速中性子と軽い原子核との弾性衝突により行われ、この目的を果たすために必要な要素減速材である。 なお、核分裂反応の結果発生する中性子大半核分裂同時に発生する即発中性子である。しかし、核分裂片中には崩壊途中で中性子発する物があり、これは遅発中性子呼ばれる遅発中性子原子炉内の全中性子の 0.65 %を占めるのみではあるが、遅発中性子があることにより外乱等に対す制御がしやすくなっている。

※この「核分裂反応」の解説は、「原子力発電」の解説の一部です。
「核分裂反応」を含む「原子力発電」の記事については、「原子力発電」の概要を参照ください。

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核分裂反応

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名詞

核分裂 反応 (かくぶんれつはんのう)

  1. 核分裂

「核分裂反応」の例文・使い方・用例・文例

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