新福島変電所
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福島第一原子力発電所事故
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震にて本所も大損害を受け、本所を介して福島第一原子力発電所に送電が不可能となり、同所の全交流電源喪失、ひいては炉心溶融、水素爆発等に至る福島第一原子力発電所事故の遠因となった。
なお、『国会事故調 最終報告書』によると、東京電力は本所の地盤脆弱性を地震前より認識しており、原子力発電所の耐震設計に使用される基準地震動クラスの地震の場合、7日以内に送電確保が困難と認識していたが、送電網を含めてそのような地震に対応する工事の完了予定は2020年であったという[17]。
本所の設備被害の原因について、東京電力は分析を進め、原子力安全・保安院に提出している。『設備被害の原因分析』によると、本所では地震時の観測記録について、最大加速度は記録出来たが波形については60秒で中断しており、周辺の地震計の記録を元に過去の観測記録から推定した伝達関数を用い、本震時の本所基盤面地震動を推定する手法を取った。その結果、被害の大きかった地点を中心に最大加速度は679Galから1069Galの値を取った。275kV空気遮断器は、耐震強化のためステーを設置していたが、ステーのベース部に変形が発生し最終的に支持碍子が破損した。この他500kV断路器では衝撃荷重、275kV断路器では機器の固有周期と地震動の卓越周期が近いなどの理由が破損の原因として挙げられている。
2011年8月29日、本所にて設備復旧工事が進展し、いわき幹線を通じた東北電力との連系が再開の見込みとなった。この変更で、東京電力と東北電力間の連系線運用容量は110万kWから235万kWに増大した[16]。
注釈
- ^ なお、1995年には相馬いわき幹線を通じ南相馬変電所-南いわき開閉所間で500kV連系運用が開始され、連系送電能力が更に拡大された(東京電力 2003, 日本における系統間連系の変遷(スライド26枚目))
いわき幹線2号の運用開始の見通しについて 『東北電力』2011年8月24日 - ^ いわき幹線竣工時の仕様は下記の通り。
区間:南相馬変電所-新福島変電所
亘長:約20km
回線数:2
電線:ACSR610mm24導体
工事費:21億円(両変電所のいわき幹線関係設備費を含む)
「東電東北電 月末から常時連系運転 融通百万KWに倍増」『電気新聞』1976年3月19日1面
出典
- ^ 名称の出典は『電気現場技術』1981年3月P59
- ^ 「-東京電力-福島東幹線が運開 超々高圧50V網の一環」『電気新聞』1972年12月14日2面
当所が開閉所として開所した件も触れられている。 - ^ a b c 編集部 1975.
- ^ 石丸小四郎「一橋大学フェアレイバー研究教育センター(47)福島原発震災と反原発運動の46年--石丸小四郎さん(双葉地方原発反対同盟代表)に聞く」『労働法律旬報』第1754巻、旬報社、2011年10月、50-57頁、NAID 40019031296。p53
- ^ a b 「トランス搬入始まる 東電・福島開閉所 単基百万KVAの大型」『電気新聞』1974年7月11日
- ^ 「電力安定輸送の"大動脈" 五十万Vの東京電力・福島幹線」『電気新聞』1975年5月29日9面
- ^ 「東電・福島幹線 房総、新袖ヶ浦線につづき下旬、待望の50万V運転 原子力流通網、大幅に強化」『電気新聞』1975年5月17日2面
- ^ 「東電・福島幹線50万V送電を開始」『電気新聞』1975年5月20日2面
- ^ 東京電力 2003, 日本における系統間連系の変遷(スライド26枚目).
- ^ 「東電、東北電が融通 東地域の電力長期計画決まる」『日刊工業新聞』1967年1月17日1面
- ^ 「常磐幹線も新設へ 東北電力の電力長期計画」『日刊工業新聞』1967年2月1日4面
- ^ 系統計画課 1974, p. 14.
- ^ a b 「東電東北電 月末から常時連系運転 融通百万KWに倍増」『電気新聞』1976年3月19日1面
- ^ 亘長9.87km。5、6号機用の起動用送電線を8.6kmに渡り併架する。1974年5月15日竣工を発表
「第2大熊線が完成」『電気新聞』1974年5月15日2面 - ^ 富岡、岩井戸両線の電圧については第2部 事故の進展と未解明問題の検証 『国会事故調』P180
- ^ a b いわき幹線2号の運用開始の見通しについて 『東北電力』2011年8月24日
- ^ 第5部 事故当事者の組織的問題 『国会事故調』P537
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