小野有五 小野有五の概要

小野有五

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/03 01:26 UTC 版)

来歴・人物

研究

  • 中学生の頃より、山に深い関心を持ち、大学院では氷河地形の研究を進める。平川一臣との共同研究である北海道日高山脈の氷河地形とその下流の平野の地形発達の研究は、最終氷期における2回の寒冷期の存在を実証的に示し、かつ氷期/間氷期における気候変化と地形発達を流域スケールで解明した画期的な研究であった。1981年に発行された当時の地形学の知見の集大成である地形学辞典の編集に若くして加わり、その事業に貢献した。また1984年には、仏語『周氷河環境』を翻訳し、当時の寒冷地域の地形学に貢献した。大学院生時代に、同世代である平川一臣、岩田修二小泉武栄らとともに「寒冷地形談話会」を発足させる。
  • 氷河、周氷河地形研究をすすめるとともに、助手として所属した筑波大学水理実験センターにおいては、河川地形の研究も進めた。このような経験があり、北海道大学に移ってからは、良好な河川環境のための研究もすすめ、その活動の一環として千歳川放水路計画への反対活動に、環境科学者としての立場から関わることとなる。
  • このほか、アイヌ語地名の復活やサンルダム建設に対する反対運動、原子力発電への反対運動、先住民の知恵を活かしたエコツーリズムの推進など、活動内容は多岐に渡るが、これらは小野本人において、「環境ガバナンス」の諸問題として位置づけられている。

活動

  • 氷河期以来の地球環境変化、地理学的研究をベースにし、1990年以来とくに北海道での自然保護運動を推進、最大の土木公共事業であった「千歳川放水路計画」を中止にさせることに成功した。市民のための科学、現実の環境問題に対処できる科学者をつくるために活動中である。
  • 全国で初めて自治体がつくった「北海道アウトドア資格制度」の創設に関わり、その基本テキストを執筆・編集した。北海道の自然やアイヌ文化をガイドできる若者を養成中である。
  • 2000年岩手大学と共同調査で鹿追町駒止湖一帯に永久凍土があることを突き止めた[2]
  • 2008年には「先住民族サミット」では共同代表をつとめるなどアイヌ民族の権利回復をもとめる運動も積極的に行っている。

略年譜

家族・親族


  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.400
  2. ^ 『北海道人物・人材情報リスト 2004 あーお』(日外アソシエーツ、2003年)p.493
  3. ^ 以上につきマイポータル
  4. ^ 北海道新聞web


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