大津市身体障害者リンチ致死事件
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少年審判
しかし、この事件は少年法の改正がなされた前日(新法律は同年4月1日施行)だったため、5人は逮捕され大津家庭裁判所は主犯格の2人を刑事裁判にかけることなく少年審判により、初等少年院送致の保護処分を決定。その他の3人は処分なしで釈放された。
その後
2001年8月、被害者の母親は主犯格の2人とその保護者に対し、9500万円(後に1億円)の損害賠償を求めて提訴した。そして2003年6月に少年院を退院した2人が和解協議に参加し、被害者遺族に「一生かけて償う」と述べて謝罪。同7月3日、6000万円の賠償を支払うことで和解した。
さらに2004年、被害者の母は立ち会った少年3人とその家族らに対して3000万円の損害賠償を求めて提訴したが、2006年5月、この訴えは棄却された。大津地方裁判所は「3人は見張り役だったことを否定し、死亡予見性はなく、通報の義務もない」とした。3人は出廷した尋問において「死ぬとは思わなかった。自分が止めたら何かされると思った」と証言。大津地裁の裁判長は「3人は暴行を直接加えておらず、助長したこともない。制止する法的義務はない」とした。
更に12月、大阪高等裁判所で控訴審が行われたが「死の可能性は予想できたが、法的な責任は問えない」として控訴を棄却。更に2008年2月、最高裁判所に上告を行うが、救護義務があったとは言いがたいとして上告は棄却された。
2011年に起きた大津市中2いじめ自殺事件での被害者生徒も、本事件の被害の母校である市立皇子山中学校に通学していた[1]。これを受けて本事件の被害者の母は、2012年8月29日から9月2日にかけて大津市内の「大津百町館」で、いじめが原因で自殺したり暴行で死亡したりした生徒約20人についての写真展示会を開催し[1]、命の大切さを訴えた[2]。このパネル展「ジェントルハートメッセージ」は、いじめで子供を失った親たちでつくるNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」が不定期に全国で開催しているもので、8月29日は被害者の誕生日でもある[3]。
脚注
注釈
出典
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