地理情報システム 歴史

地理情報システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/28 00:56 UTC 版)

歴史

1967年、世界で初めて動作可能な地理情報システムが、カナダオンタリオ州オタワで開発された。ロジャー・トムリンソン英語版に開発されたシステムは、カナディアンGIS(CGIS) と命名され、Canada Land Inventory が収集するデータの保存・分析に用いられた。分析用に分類機能も追加されていた。このように現在のGISと遜色のない機能を備えていたが、政府機関向けのものであり、開発当時のハードソフトウェア技術の限界に近いもので、完成が遅れ、また権利関係のトラブルも発生し、普及しなかった。

マイクロコンピュータの発達により、ESRI、MapInfo、CARISなどがCGISの機能を取り込んだ地理情報システムを開発する。これは空間情報と属性情報を分離し、属性情報をデータベースの形式で管理する形態である。1980年代頃からUNIXワークステーションパーソナルコンピュータで開発されている。20世紀末頃になると、それまで多種多様であったシステムやデータ、データ変換方式の標準化が進み、インターネット上に配信されるようになる。

日本

日本では昭和50年代(1970年代)から、大学の人文地理などで研究開発が始まっている。しかし、文系の研究者で年齢が高い者にはパソコンなどに詳しい者が少なく、ソフトは海外の物が主流で、言語の壁だけでなく、大変高価であったため、当初普及はしなかった。

現在は、カーナビガーミンなどのハンディGPSハザードマップ、スマートフォンでも表示出来るWebGISWMSなどが一般社会に普及し、GISはより身近な存在になりつつある。「GIS」を知らずとも、多くの人はGISに触れたり、何らかのGISの恩恵を受けている。


  1. ^ 小項目事典,ASCII.jpデジタル用語辞典,IT用語がわかる辞典, 日本大百科全書(ニッポニカ),デジタル大辞泉,ブリタニカ国際大百科事典. “地理情報システムとは”. コトバンク. 2021年6月30日閲覧。
  2. ^ ベクター データとは” (2015年12月24日). 2021年3月4日閲覧。
  3. ^ https://www.biodic.go.jp/kiso/col_mesh.html
  4. ^ JPGISの概要






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