国鉄キハ54形気動車 運用・現況

国鉄キハ54形気動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/31 00:37 UTC 版)

運用・現況

トロッコ列車「清流しまんと号」として運用される
キハ54形0番台と
トラ45000形トロッコ車
予土線窪川駅

四国仕様車

松山運転所に全12両を配置し、以下の区間で使用する。

1990年11月21日に予讃線伊予市駅 - 伊予北条駅の電化により、全車両が高知運転所に転属したが、1エンジン小型車のキハ32形が粘着重量不足により、登坂の際に空転を頻発させて運行に支障を来したことから、これを代替する目的で同運転所配置のまま予土線を介して2003年ごろから充当されるようになり、のちに1500形導入に伴う玉突き転配で段階的に松山運転所に再配置されていった。

予土線でのトロッコ列車運転期間には、出力に余裕のあるキハ54形がトラ45000形トロッコ車の牽引車に用いられ、貫通ドアには「アンパンマン」の主要キャラクターのステッカーが貼られていた。2013年10月にキハ54 4をトラ45000形トロッコ車コトラ152462と共にリニューアルして「しまんトロッコ」として運転している。
予土線、予讃線、内子線において、ラッピング列車「おさんぽなんよ」、「しまんと開運汽車 すまいるえきちゃん号」も運行[6][7]

北海道仕様車

製造当初は旭川運転所(501-503, 527-529)、苗穂運転所(504-506, 511-515, 524-526)、函館運転所(507-510)、釧路運転所(516-523)に配置され、既存形式と混用された[8]。しかし、分割民営化後、車両性能を活かせていないことや、バスとの対抗上列車のスピードアップが必要となったことを受け[9]、1988年(昭和63年)10月までに旭川・釧路に配置を集約し[8]、続く同年11月3日改正より、道北・道東地方各線の普通列車高速化に貢献した[9]

その後は配置換えや宗谷本線・根室本線(花咲線)における運輸営業所の設立・廃止を経て、現在も引き続き旭川運転所釧路運輸車両所に配置される。

旭川運転所配置車

現行の定期運用(2024年3月16日時点)
過去の定期運用
  • 富良野線
    H100形の投入に伴い、2023年3月17日をもって定期運用を終了。
  • 石北本線
    H100形の投入に伴い、2024年3月15日をもって定期運用を終了。
    特別快速きたみ」も担当していた。
    急行仕様車は留萌本線での通勤通学需要に適応させるため、同線での使用を一時中断の上で2007年9月に一部座席の撤去工事を実施し、引き続き同線で使用されている。一般仕様車も、ロングシート部の拡大工事が施工されている。

釧路運輸車両所配置車

現行の定期運用(2024年3月16日時点)
過去の定期運用
  • 釧網本線
    H100形の投入に伴い、2024年3月15日をもって定期運用を終了。
  • 石北本線(北見 - 網走間)
    花咲線用の車両は、台車交換工事施工時に車体の帯をハマナスの花の色に似たピンク1色のテープに変更した。520は車体全体に花をあしらったデザインのラッピングを施されたが、同車は2007年3月1日に石北本線で発生した踏切脱線衝突事故に罹災、同年3月7日付けで廃車となった。これに伴い、旭川運転所から507が釧路運輸車両所に貸し出された。507はラッピングが施され、JR北海道釧路支社の広告車として釧路地区で運用されていた。その後、507は正式に釧路運輸車両所に転属となり、車体の広告も外された、のちに後述の「流氷物語」に改造されている。
    522は、2012年より「ルパン三世」のラッピングが施されている(原作者のモンキー・パンチの出身地である浜中町が花咲線の沿線に含まれているため)[11]
    507・508の2両は、2017年1月28日より釧網本線網走 - 知床斜里間において運行を開始した臨時列車「流氷物語号」へ充当するため、専用のラッピングを施されている。なお、508は2020年10月19日に釧網本線で発生したタンクローリーとの衝突事故[12]により、翌年の「流氷物語号」が別車両による運用に変更される[13]などの影響が発生している。その後、508は2022年9月に修復工事が完了し運用に復帰しているが、被災した部分の前面が新規製作となったため、片側のみであるがタイフォンカバーの撤去跡が見られなくなっている[14][15]
    521は、車体の半分が赤基調、もう半分が白基調のラッピング(花咲線の場合、根室方向を進行方向とすると進行方向右半分が赤基調、左半分が白基調)を施され、「地球探索鉄道花咲線ラッピングトレイン」として2018年11月1日より運行されている(通常の普通・快速列車として花咲線および釧網本線で使用)[16]
    H100形の投入に伴い、2024年3月15日をもって定期運用を終了。

注釈

  1. ^ キハ54 1には警戒色と呼ばれるオレンジ色の帯が運転席、助士席窓の下に入っていたが間もなく消去された。
  2. ^ 後のワンマン改造時に押しボタンを撤去し、撤去跡にワンマン放送用のスピーカーを設置した。
  3. ^ 日本において垂れ流しトイレ仕様で新造された最後の鉄道車両である。
  4. ^ 軽量ステンレス車体と新型エンジンゆえに、キハ40系等従来型の気動車よりは燃費や走行性能に改善が見られたという。
  5. ^ 1996年(平成8年)4月30日までは釧路運転所。
  6. ^ 1996年(平成8年)4月30日までは、車両基地の名称は「釧路運転所」、車両工場の名称は「釧路車両所」。

出典

  1. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2016年03月26日
  2. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2016年03月26日
  3. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2016年03月26日
  4. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2012年03月17日
  5. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2012年03月17日
  6. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2008年03月15日
  7. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2008年03月15日
  8. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2008年03月15日
  9. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2008年03月15日
  10. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2008年03月15日
  11. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2008年03月15日
  12. ^ 松山→高知:1990年03月10日、高知→松山:2008年03月15日
  13. ^ 苗穂所→旭川:1988年03月13日
  14. ^ 苗穂所→旭川:1988年10月20日
  15. ^ 苗穂所→旭川:1988年10月29日
  16. ^ 函館→旭川:1988年10月15日、旭川→宗谷:1993年03月30日[18]、宗谷→釧路:2007年05月15日[19]
  17. ^ 函館→旭川:1988年10月15日、旭川→宗谷:1993年03月31日[18]、宗谷→釧路:2016年11月11日[20]
  18. ^ 函館→旭川:1988年10月15日、旭川→宗谷:1993年04月01日[21]、宗谷→旭川:2017年03月04日[20]
  19. ^ 函館→旭川:1988年10月15日、旭川→宗谷:1993年04月01日[21]、宗谷→旭川:2017年03月04日[20]
  20. ^ 苗穂所→旭川:1988年10月19日、旭川→宗谷:1993年04月01日[21]、宗谷→旭川:2017年03月04日[20]
  21. ^ 苗穂所→旭川:1988年10月29日、旭川→宗谷:1993年04月01日[21]、宗谷→旭川:2017年03月04日[20]
  22. ^ 苗穂所→旭川:1988年10月19日、旭川→宗谷:1993年04月02日[21]、宗谷→旭川:2017年03月04日[20]
  23. ^ 苗穂所→旭川:1988年10月20日、旭川→釧路:1993年04月02日[21]、釧路→花咲:2003年10月30日[22]、花咲→釧路:2009年03月16日[23]
  24. ^ 苗穂所→旭川:1988年10月19日、旭川→花咲:1993年03月16日[18]、花咲→釧路:1994年01月18日[21]
  25. ^ 釧路→花咲:1991年07月01日、花咲→釧路:1994年02月01日[21]、釧路→花咲:2003年12月16日[22]、花咲→釧路:2009年03月16日[23]
  26. ^ 釧路→花咲:1994年01月18日[21]、花咲→釧路:1998年12月18日[24]、釧路→花咲:2004年02月21日[22]、花咲→釧路:2009年03月16日[23]
  27. ^ 釧路→花咲:1991年07月01日、花咲→釧路:2003年07月03日[22]
  28. ^ 釧路→花咲:2003年07月03日[22]
  29. ^ 釧路→花咲:1994年02月01日[21]、花咲→釧路:2009年03月16日[23]
  30. ^ 釧路→花咲:1991年07月01日、花咲→釧路:2003年10月30日[22]
  31. ^ 釧路→花咲:1991年07月01日、花咲→釧路:2003年12月16日[22]
  32. ^ 苗穂所→釧路:1988年10月23日
  33. ^ 苗穂所→釧路:1988年10月23日、釧路→花咲:1991年07月01日、花咲→釧路:2009年03月16日[23]
  34. ^ 苗穂所→釧路:1988年10月23日、釧路→花咲:2007年05月15日[19]、花咲→釧路:2009年03月16日[23]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 鉄道ジャーナル』第21巻第5号、鉄道ジャーナル社、1987年5月、80-83頁。 
  2. ^ ネコ・パブリッシング『レイルマガジン』No.37 P.56
  3. ^ ネコ・パブリッシング『レイルマガジン』No.39 P.60
  4. ^ シカと列車の衝突事故に悩むJR各社、全国の「シカ対策担当者」による会議(朝日新聞2010年12月16日夕刊)
  5. ^ a b c d e f 鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、84-85頁。 
  6. ^ JR四国ニュース 平成28年3月号 - 四国旅客鉄道
  7. ^ 「 しまんと開運汽車 すまいるえきちゃん号」を運行します!
  8. ^ a b 『鉄道ピクトリアル』通巻943号 pp.106-112
  9. ^ a b 木村, 一郎「札幌駅高架開業に伴うダイヤ改正(63・11)-新設計車両721系電車の投入-」『車両と電気』第39巻第11号、車両電気協会、1988年11月、4-7頁、doi:10.11501/2322898 
  10. ^ 交友社鉄道ファン」2017年7月号 JR各社の車両配置表
  11. ^ 鉄道ファン2012年7月号「JR車両ファイル2012」p.20
  12. ^ 踏切上で約20トン"タンクローリー"に快速列車が衝突…50代女性と運転手計2人ケガ 列車6本運休に”. UHB:北海道文化放送. 2020年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
  13. ^ 名作『オホーツクに消ゆ』×JR北海道「流氷物語号」 奇跡のコラボができるまで”. ねとらぼ. 2020年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
  14. ^ キハ54 508「流氷物語ラッピング」青、約2年ぶりに運用復帰! - 鉄道ホビダス(2022年9月5日)、2022年9月29日閲覧
  15. ^ 【やっぱりそうなるよね】キハ54 508、修復された前面はタイホン跡なし! - 鉄道ホビダス(2022年9月20日)、2022年9月29日閲覧
  16. ^ 「地球探索鉄道花咲線ラッピングトレイン」を運行開始します』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2018年10月18日https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20181018_KU_hanasaki.pdf2022年3月19日閲覧 
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  24. ^ a b c d e f g h i j k 『鉄道ファン』通巻459号 p.70
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  30. ^ a b c d e f g h i j k 『鉄道ファン』通巻364号 p.59
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