名古屋高速16号一宮線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2022/09/11 01:03 UTC 版)
歴史
開通まで
名古屋市と岐阜方面を連絡する国道22号は1日約10万台の交通が往来することで[15]、全国的に見てもトップクラスの混雑路線である[16]。そのため、都心と清洲JCT（当時の西春日井郡新川町）を都市高速で結び、国道22号の交通混雑を和らげることが計画された。これは1960年代には構想され、1970年（昭和45年）の名古屋高速道路公社発足と機を一にして高速3号として計画に組み込まれた[17]。これがのちの6号清須線である。しかし、国道22号の混雑は新川町以北でも慢性的で飽和状態にあった。中でも清洲町と一宮市浅野間の混雑が激しいことから[18]、その打開策として建設省は1987年（昭和62年）に策定した第10次道路整備5ヵ年計画に新川町と岐阜市を結ぶ2階建て方式の自動車専用道路「名岐道路」の構想を盛り込んだ[19]。次の第11次道路整備5か年計画（1993年度 - 1997年度）では早急に整備すべき路線として位置付けられ[20]、全体構想の内の清洲JCT - 一宮市内について優先的に事業化されることになった[21]。併せて高速3号（6号清須線）と直通することで一体の機能を果たすことが期され、両路線は同時供用が目論まれた[18]。1996年（平成8年）に都市計画決定され[8]、事業主体も名古屋高速道路公社に決定した[4]。
開通後
6号清須線との同時供用を目指して計画推進されたものの[21]清須線の工事の遅れから[22]16号一宮線が2005年（平成17年）に先行開業し、都心部よりも郊外路線が2年早い供用となった。折しも中部国際空港開港と同時期であり、岐阜方面から新空港へのアクセス道路としても期待された[23]。2007年（平成19年）に6号清須線が開通し、一宮市中心部と名古屋市中心部が高速道路で直結されたことで、一宮および岐阜、名神高速と都心のアクセスが向上した[10]。
年表
- 1987年（昭和62年）10月30日 : 建設省（現・国土交通省）は1988年度から開始する第10次道路整備5ヵ年計画の整備目標を公表した。このリストの中に西春日井郡新川町と岐阜市を結ぶ名岐道路の調査を実施する旨が盛り込まれた[19][24]。
- 1994年（平成6年）12月16日 : 名岐道路が建設省の指定する地域高規格道路の候補路線に指定される[25]。
- 1995年（平成7年）12月22日 : 1996年度政府予算大蔵原案の復活折衝で名岐道路の西春日井郡新川町 - 一宮市間9.3kmが新規採択事業となり着工が認められた[21]。
- 1996年（平成8年）
- 1997年（平成9年）12月11日 : 新川町（清洲JCT) - 一宮市間の事業認可[28]。
- 1998年（平成10年）
- 2005年（平成17年）2月11日 : 清洲JCT - 一宮中入口間開通により全線開通[23]。
- 2007年（平成19年）
- ^ a b 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 25.
- ^ 『愛知県法規集』7 土木建築、愛知県総務部文書課編集、第一法規出版株式会社発行、第八章 道路、p.3040、愛知県図書館蔵
- ^ a b “名岐道路と名濃道路建設 本年度に調査着手”. 中日新聞朝刊: p. 3. (1988年4月15日)
- ^ a b c 名古屋高速道路公社30年史編集委員会 2002, p. 107.
- ^ 名古屋高速道路公社20年史編集委員会 1991, pp. 48–50.
- ^ a b c d e f g h 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 120.
- ^ 名古屋高速道路公社30年史編集委員会 2002, p. 109.
- ^ a b c d e f 名古屋高速道路公社30年史編集委員会 2002, p. 106.
- ^ 名古屋高速道路公社30年史編集委員会 2002, pp. 106–107.
- ^ a b 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 119.
- ^ “名古屋高速道路出入口案内” (日本語). 名古屋高速道路公社. 2016年4月21日閲覧。
- ^ a b 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 418.
- ^ a b 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 123.
- ^ a b “西知多道路が計画路線に 建設省の地域高規格道路”. 中日新聞朝刊: p. 25. (1998年6月17日)
- ^ “名岐道路 清洲東～一宮間優先 10年後の開通を目標”. 中日新聞夕刊: p. 10. (1995年6月28日)
- ^ “名岐バイパスに高架道 都市計画決定 来年度にも手続き”. 中日新聞夕刊: p. 1. (1993年10月12日)
- ^ 名古屋高速道路公社20年史編集委員会 1991, pp. 13–17.
- ^ a b “「名岐道路」愛知県が計画手続き 一宮－清洲JCT間”. 中日新聞朝刊: p. 34. (1995年8月25日)
- ^ a b 名古屋高速道路公社30年史編集委員会 2002, p. 47.
- ^ 名古屋高速道路公社20年史編集委員会 1991, p. 105.
- ^ a b c “名岐道路整備が復活 清洲東 - 一宮インター間 来年度予算”. 中日新聞朝刊: p. 3. (1995年12月23日)
- ^ “県議会委員会 名高速3号線・北部区間 一部開通1、2年遅れに 県が見通し”. 中日新聞朝刊: p. 22. (2004年3月19日)
- ^ a b “名高速一宮線が開通 名古屋や新空港へより早く”. 中日新聞朝刊: p. 27. (2005年2月12日)
- ^ “第二東名、名神など推進 第10次道路整備計画目標発表”. 中日新聞朝刊: pp. 1、3. (1987年10月31日)
- ^ “総延長240キロで全国最大級 地域高規格道路指定 「計画」は県内4路線”. 中日新聞（岐阜県版）朝刊: p. 14. (1994年12月17日)
- ^ 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 463.
- ^ a b c 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 27.
- ^ 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 464.
- ^ 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, pp. 119–120.
- ^ 名古屋高速道路公社四十年史編集委員会 2012, p. 468.
- ^ “令和2年度全国道路・街路交通情勢調査の延期について (PDF)”. 国土交通省 道路局 (2020年10月14日). 2021年5月9日閲覧。
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