内部統制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/01 05:33 UTC 版)
メリット
内部統制システムを構築し、運用していくことによって、会社の信用が向上する。使用人や経営者の法令違反、判断ミス、組織や規定の未整備による情報漏洩、無計画なITの導入による業務の混乱・非効率・不透明化など、企業は様々な危険にさらされている。それらを適切に処理するために上記の6つの基本的要素を踏まえて4つの目的を追求してゆく業務の適正を確保するための体制を構築し、整備された諸規程に則って運用することが、企業の信用度向上によって得られる社会的地位の向上や収益の確保のための最善の策と考えられる。
デメリット
内部統制システムの構築には、かなりのコストがかかる。内部統制の法制化は、本来は内部統制の整備状況の報告を求め、会計監査に資するためのものであるが、結果的に厳格な内部統制の仕組みの整備を要求してしまう側面をもつ。その整備が遅れていて、かつ労働力が不足ぎみの企業にとっては、事業全体のプロセスの総点検をして、組織形態や業務手順の変更と、それに対応させるための社員教育、運用をするには膨大な時間がかかり、初期費用も数~十数億円に上る場合がある。しかも、内部統制の仕組みは完成することがないので、継続的なコスト発生は避けられない。また、業務効率向上のための提言といえる「IT利用」に関しては、強制と解釈されて混乱や錯綜が生じたこともあった。
内部統制を厳格に行うと、企業の成長を損なう恐れがある。内部統制報告書の対象となる企業の範囲は、その支配下におかれるすべての会社である。関連子会社や、業務の一部をアウトソーシングした委託先、金融機関や企業が自己勘定で組成したファンドが出資したベンチャー企業なども対象の範囲に含まれることがある。企業の勃興期は活力に富んだ経営が求められるので、厳格な内部統制システムに縛られていては企業の成長を損なう恐れがある。
内部統制と同じ種類の言葉
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