共喰い (映画)
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スタッフ
- 原作:田中慎弥「共喰い」(集英社文庫刊)
- 監督:青山真治
- 脚本:荒井晴彦
- 音楽:山田勳生、青山真治
- プロデューサー:甲斐真樹
- アソシエイトプロデューサー:佐藤公美
- 撮影:今井孝博
- 照明:松本憲人
- 音響:菊池信之
- 美術:清水剛
- 編集:田巻源太
- ヘアメイク:田中マリ子
- 衣装:篠塚奈美
- 助監督:吉田亮
- 制作担当:中村哲也
- 企画協力:集英社
- 配給:ビターズ・エンド
- 宣伝:ミラクルヴォイス
- 制作プロダクション:スタイルジャム
- 製作:『共喰い』製作委員会(スタイルジャム、ミッドシップ、ギークピクチュアズ、アミューズソフトエンタテインメント、ビターズ・エンド)
製作
原作は田中慎弥による第146回芥川龍之介賞受賞の短編小説「共喰い」[1]。脚本は荒井晴彦[2]。今井孝博によってデジタルのシネマスコープで撮影される[3]。エンディング・クレジットには「帰れソレントへ」が選曲される[4]。本作の冒頭と末尾に挿入されるヴォイス・オーヴァーは、大人になった遠馬が語っている設定だが、実際には光石研の声で録音された[5]。
発表
2013年9月7日、日本で全国公開される[6]。視覚障害者向けのバリアフリー上映にあたっては、副音声で流すための音声ガイダンスを吹き込まなかったが[7]、その代わり、通常の7倍の感度をもつ集音マイクが撮影時に使われる[8]。
評価
梅本洋一は、本作が腐心するのは1960年代に絶頂期の大島渚が生きた怒りを再現させることであると指摘[9]。藤井仁子は、「『日本映画』の伝統をたんなる反復ではないかたちで転生させることに成功している」と述べた[10]。村山匡一郎は本作に五つ星満点を与える[11]。
2013年、第66回ロカルノ国際映画祭においてYouth Jury Award最優秀作品賞とボッカリーノ賞最優秀監督賞を受賞する[12]。
第87回キネマ旬報ベスト・テンの日本映画5位に選ばれた[13]他、脚本賞(荒井晴彦)と助演女優賞(田中裕子、『はじまりのみち』での演技と合わせて)を受賞している[14]。同じく映画雑誌の『映画芸術』では日本映画ベストテン第2位となった[15]。
主演の菅田将暉は、本作の演技で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した[16]。
第68回毎日映画コンクールでは、脚本賞(荒井晴彦)と撮影賞(今井孝博)を受賞した[17]。
優れた新人撮影監督を顕彰する第57回三浦賞では、今井孝博が受賞した。
- ^ 中村, 俊介 (2012年12月3日). “「共喰い」映画化 北九州・門司でロケ”. 朝日新聞. 2013年9月13日閲覧。
- ^ 福永, 聖二 (2013年9月20日). “「共喰い」(スタイルジャムなど)…昭和の香りまとう愛憎劇”. 読売新聞. 2013年9月13日閲覧。
- ^ 吉野, 大地 (2013年9月7日). “『共喰い』青山真治監督インタビュー”. 神戸映画資料館. 2013年9月13日閲覧。
- ^ 高木, 佑介 (2013年9月7日). “『共喰い』公開 監督・青山真治インタヴュー(3/3)”. Nobody. 2013年10月3日閲覧。
- ^ 高木, 佑介 (2013年9月7日). “『共喰い』公開 監督・青山真治インタヴュー(2/3)”. Nobody. 2013年10月3日閲覧。
- ^ 藤山, 圭 (2013年9月8日). “芥川賞「共喰い」映画公開 原作田中慎弥さんあいさつ”. 朝日新聞. 2013年10月3日閲覧。
- ^ 壬生, 智裕 (2013年9月1日). “映画『共喰い』は製作時から視覚障害者を意識 バリアフリー上映の新しい取り組み”. シネマトゥデイ. 2013年10月3日閲覧。
- ^ 三木, 陽介 (2013年9月26日). “新バリアフリー映画:音声ガイドなし 作品中の「音」厚く”. 毎日新聞. 2013年10月3日閲覧。
- ^ 梅本, 洋一 (2013年2月6日). “大島渚から青山真治へ”. Nobody. 2013年8月3日閲覧。
- ^ 藤井, 仁子 (2013年2月8日). “血と転生 青山真治の『共喰い』”. 読売新聞. 2013年8月3日閲覧。
- ^ 村山, 匡一郎 (2013年9月6日). “共喰い 原作超え現代史に連なる”. 日本経済新聞. 2013年10月3日閲覧。
- ^ 鈴木, 隆 (2013年8月22日). “ロカルノ国際映画祭:「共喰い」がダブル受賞”. 毎日新聞. 2013年10月3日閲覧。
- ^ “2013年 第87回キネマ旬報ベスト・テン「日本映画ベスト・テン」”. KINENOTE. 2014年1月9日閲覧。
- ^ “2013年 第87回キネマ旬報ベスト・テン「個人賞」”. KINENOTE. 2014年1月9日閲覧。
- ^ 「映画芸術」2013年日本映画ベストテン&ワーストテン決定!!(2014年1月17日)、映画芸術、2014年1月28日閲覧。
- ^ “第37回日本アカデミー賞優秀作品発表!”. 日本アカデミー賞公式サイト. 2014年1月19日閲覧。
- ^ 第68回毎日映画コンクール発表!『舟を編む』が日本映画大賞 シネマトゥデイ 2014年1月21日
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