仮面ライダーV3対デストロン怪人 仮面ライダーV3対デストロン怪人の概要

仮面ライダーV3対デストロン怪人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/31 09:46 UTC 版)

仮面ライダーV3対デストロン怪人
Masked Rider V3 vs. Destron
監督 山田稔
脚本 伊上勝
原作 石森章太郎
ナレーター 中江真司
出演者
音楽 菊池俊輔
主題歌斗え!! 仮面ライダーV3」(宮内洋、ザ・スウィンガーズ)
撮影 川崎龍治
編集 菅野順吉
製作会社 東映
配給 東映
公開 1973年7月18日
上映時間 32分
製作国 日本
前作 仮面ライダーV3
次作 仮面ライダーX
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ロケが行われた「ホテル奥道後」
「高知城」の天守

カラー、シネスコ[注釈 1]、上映時間は32分[1]

概要

日本列島を「変身ブーム」に包んだ『仮面ライダー』の続編『仮面ライダーV3』の劇場オリジナル映画。同年3月の「東映まんがまつり」の春興行では、テレビ本編の第2話「ダブルライダーの遺言状」(1973年2月24日放送)をシネスコサイズにトリミングしたものが上映されたが、劇場用完全オリジナルとしては本作品が初となる。併映のアニメ作品『マジンガーZ対デビルマン』を意識してか、決定稿脚本は『V3対ダブルライダー』と題されていた[出典 1][注釈 2]

公開当時のキャッチコピーは、「ついにきた全面戦争のとき ゆけ! 戦え! 三人の仮面ライダー」。

テレビ本編第2話で退場した仮面ライダー1号・2号が、本編に先駆けて再登場した[5]。素顔では登場していないが、藤岡弘佐々木剛が声を担当している。

あらすじ

原子物理学者・沖田徹夫博士は、四国山脈の山奥で幻の超放射能元素と言われたサタンニウム[注釈 3]を発見した。それは原子爆弾の原料に使われるウラニウムの数百倍の放射能を持つ、特殊な鉱石だった。悪用を恐れた沖田は、東京への帰路でフェリー・さんふらわあからサンプルの鉱石を海に捨てようとするが、それはデストロンの狙うところとなっていた。沖田は鉱石ごと、黒服の男によって和歌山県勝浦沖で拉致されてしまう。

風見志郎と立花藤兵衛は、勝浦沖のデストロン無人島基地に向かって沖田を救出したが、彼は怪人タイホウバッファローに殺されてしまう。

やがて、志郎と藤兵衛は珠純子やシゲルとともにデストロンを追って四国に向かい、そこを舞台に仮面ライダーV3とデストロンの戦いが展開する。さらに、オーストラリアでデストロンと戦っていた仮面ライダー1号・2号が帰国し、V3に加勢する。

登場怪人

諸元
タイホウバッファロー
身長 195 cm[8]
体重 95 kg[8]
出身地 沖縄[8]
タイホウバッファロー
本作品のための新怪人。バッファローと大砲の機械合成怪人[8]。豪放磊落な性格ではあるが、相打ちを乱戦時に避けようとするなど、冷静な判断力も併せ持っている[8]。両肩に2門の大砲を備えている[3][8]。通常は上向きになっており、単独で砲撃・連射できるが、やや命中率が劣るため、戦闘員がしばしば補佐している[8]。突進攻撃にも用いられる角は、レーダー通信機能を持ち、砲撃時には照準装置が組み込まれたアンテナとしての役割を果たす[8]。分厚い鋼鉄で覆われた腹部はどんな攻撃も跳ね返すが、非常に堅牢であるがゆえに重量もあるため、動きが鈍いのが弱点[8]。「バーッフォー!」と鳴き、「バーッハッハッハ!」という笑い声を発する[8]
3人ライダーとの戦闘では自身の斉射で再生怪人軍団を失った結果、3人ライダーを腹部に内蔵された自爆用の爆弾で道連れにしようとするが、ライダーダブルキックとV3キックの連続攻撃を受け、爆死する。
  • 当時の資料にはタイホウバッハローの表記も見られ[9]、ポピーから発売された人形もこちらの名称に準じている[10]
  • のちに付加された設定によると、デストロン在籍時の結城丈二がダム建設の岩石爆破用に開発した改造人間である。結城とタイホウバッファローは映像作品への登場時期が異なるが、特写によるグラビア上で共演している[11][3]
漫画『仮面ライダー11戦記』
ガイストの再生強化怪人として登場[12]
OVA『仮面ライダーSD
蜘蛛男テレビバエとともに蜘蛛の巣城でバトルライダーズと戦う。
ドクバリグモ
黒服の男に姿を変え、フェリー上で沖田博士を拉致し、デストロンの無人島基地に連行した。さらに鉱脈の地図を追って四国各地を暗躍するが、3人ライダーを狙ったタイホウバッファローの斉射の巻き添えで粉砕される。テレビ本編のように腕の注射器を使うシーンはなかった。
ギロチンザウルス
ドクバリグモを援護してホテル奥道後の錦晴殿に現れ、ひろ子を襲って地図を奪おうとするが、V3に行く手を阻まれてV3反転キックを受けた結果、橋から転落して凄まじい水柱を上げて爆死する。
再生怪人軍団
上記の映画オリジナル怪人以外のデストロン怪人[注釈 4]
3人ライダーと交戦するが、タイホウバッファローの斉射の巻き添えで全滅する。
以下はクライマックスでの名乗り順。
名乗り順 再生怪人 テレビでの初登場話 備考
1 ジシャクイノシシ 第13話 [注釈 5]
2 スプレーネズミ 第17話・第18話
3 ピッケルシャーク 第11話・第12話 [注釈 5]
4 ミサイルヤモリ 第16話
5 ドリルモグラ 第11話・第12話
6 クサリガマテントウ 第17話・第18話 [注釈 6]
7 バーナーコウモリ 第15話
8 レンズアリ 第09話・第10話 [注釈 7]
9 ガマボイラー 第14話

注釈

  1. ^ 35mmフィルムの上下を省いた簡便な「擬似シネスコ」である。
  2. ^ 書籍『仮面ライダー映画大全集』では、『マジンガーZ対デビルマン』のタイトルは前2作品『仮面ライダー対ショッカー』『仮面ライダー対じごく大使』を意識したものと推測している[4]
  3. ^ 資料によっては「放射能物質サタンニュウム」と表記されている[6][7]
  4. ^ 脚本では「カメバズーカ以下の怪人軍団」と記述している[13]
  5. ^ a b クライマックスの名乗りより先に登場し、紀伊半島沖のデストロン無人島基地内で志郎を待ち受ける。なお、脚本での該当シーンはハサミジャガーとナイフアルマジロだった[13]
  6. ^ クサリガマテントウの鎖鎌以外、装備武器が使用されることはなかった。
  7. ^ 2号との格闘場面で、左手の一部を飛ばして攻撃している。
  8. ^ エンディングでは「少年仮面ライダー隊の歌」と誤表記。
  9. ^ 仮面ライダー対ショッカー』・『仮面ライダー対じごく大使』を含む。

出典

  1. ^ DVD「復刻!東映まんがまつり」特集 仮面ライダーV3対デストロン怪人 - 東映ビデオ
  2. ^ a b c d 大全集 1986, pp. 224–225, 「仮面ライダー劇場用作品製作メモ」
  3. ^ a b c d 怪人大全集 1986, p. 136, 「仮面ライダー劇場用怪人大全」
  4. ^ a b c d e 映画大全集 1993, p. 132, 「仮面ライダー劇場用映画作品研究」
  5. ^ a b & 仮面ライダー1971-1984 2014, p. 403, 「COLUMN 映画の世界に進出したライダー オリジナル劇場用作品初期4作」
  6. ^ 大全集 1986, p. 121, 「仮面ライダーV3対デストロン怪人」.
  7. ^ 「東映まんがまつり」特集”. 東映ビデオオフィシャルサイト. 東映ビデオ. 2022年12月31日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j 仮面ライダー オフィシャルデータファイル 106 2010, pp. 7–8
  9. ^ 『カラー図鑑 7人ライダー [復刻版]』秋田書店、2012年9月、p.128。ISBN 978-4-8354-4883-1
  10. ^ V3大全 2001, p. 86.
  11. ^ 『テレビマガジン』1974年2月号、pp.26 - 27
  12. ^ 『仮面ライダー11戦記 時空英雄仮面ライダー 宇宙の11仮面ライダー銀河大戦』(ISBN 4-8130-1078-4)のP17からP34より。
  13. ^ a b c d OFM10 2004, pp. 23–29, 「特集 よみがえる怪人たち ショッカーからバダンまで 再生怪人軍団の系譜」
  14. ^ a b 村枝賢一、鶯谷五郎『魂の仮面ライダー爆談!! [COMPLETE+]』辰巳出版、2011年4月、p.98。ISBN 978-4-7778-0905-9
  15. ^ a b 仮面ライダー オフィシャルデータファイル 45 2009, p. 29
  16. ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 48.
  17. ^ a b 怪人大全集 1986, p. 218, 「仮面ライダーSTAFF CAST SPONSORインタビュー STAFF編」
  18. ^ “『仮面ライダーV3』宮内洋と中屋敷哲也が"命の危険を感じたシーン"TOP3を告白”. マイナビニュース (マイナビ). (2017年12月22日). https://news.mynavi.jp/article/20171222-kamenrider/ 2021年8月1日閲覧。 
  19. ^ “【宮内洋のV3ヒーロー道】仮面ライダーV3“惨状”! 爆破シーンで島にヒビ、水中機雷の水しぶきで漁協おかんむり (1/2ページ)”. zakzak (産経デジタル). (2018年3月26日). https://www.zakzak.co.jp/article/20180327-5FG5QWD3ZVJJDKWVHVNPSPFY2M/ 2021年8月1日閲覧。 
  20. ^ “【宮内洋のV3ヒーロー道】仮面ライダーV3“惨状”! 爆破シーンで島にヒビ、水中機雷の水しぶきで漁協おかんむり (2/2ページ)”. zakzak (産経デジタル). (2018年3月26日). https://www.zakzak.co.jp/article/20180327-5FG5QWD3ZVJJDKWVHVNPSPFY2M/2/ 2021年8月1日閲覧。 
  21. ^ 『仮面ライダーSPIRITS公式ファンブック 受け継がれる魂II』講談社、2003年9月29日、180頁。ISBN 4-06-334771-0 
  22. ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 49.
  23. ^ 怪人大全集 1986, p. 184, 「仮面ライダー怪人再登場作品一覧」.
  24. ^ 仮面ライダー 劇場版3作品一挙放送|2023年6月24日(土) 放送 19:00~20:45 | 映画放送ラインナップ”. TOKYO MX. 2023年6月24日閲覧。
  25. ^ “昭和仮面ライダー”の劇場版3作品をノーカットで一挙放送!!『仮面ライダー 劇場版3作品一挙放送』きょう夜7時から!| TOKYO MX+(プラス)”. TOKYO MX. 2023年6月24日閲覧。
  26. ^ 「2000TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2001』朝日ソノラマ宇宙船別冊〉、2001年4月30日、67頁。雑誌コード:01844-04。 
  27. ^ “電王、キバ、シンケンジャーなどの劇場版やVシネ10作、YouTubeで無料配信”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年8月5日). https://natalie.mu/eiga/news/342534 2020年11月24日閲覧。 

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