マサチューセッツ工科大学 マサチューセッツ工科大学の概要

マサチューセッツ工科大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 03:56 UTC 版)

マサチューセッツ工科大学
Massachusetts Institute of Technology
モットー Mens et Manus (ラテン語)
モットー (英語) Mind and Hand[1]
種別 私立大学
ランドグラント大学 4–1–4期制
設立年 1861年 (1865年設置)
資金 124億ドル(2014年)[2]
総長 Melissa Nobles
学長 L・ラファエル・ライフ
プロヴォスト Martin A. Schmidt
教員数
1,030人[3]
学生総数 11,301人[4]
学部生 4,528人[4]
大学院生 6,510人
所在地 米国マサチューセッツ州ケンブリッジ
キャンパス 都市型, 168エーカー (68.0 ha)[5]
ノーベル賞受賞者数 96
スクールカラー
  •    
  •    グレー
  •    ライトグレー
[6]
運動競技 NCAA Division IIINEWMAC, NEFC, Pilgrim League
Division IEARC & EAWRC (rowing)
スポーツ 31 varsity teams
ニックネーム Engineers[7]
マスコット Tim the Beaver[8]
公式サイト MIT.edu
テンプレートを表示
Simmons Hall
Kresge Auditorium
MIT工学部(SoE: School of Engineering)
MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL: Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)
MITメディアラボ(MIT Media Lab)
MITスローン経営大学院(MIT Sloan)

MITは全米屈指のエリート名門校の1つとされ、ノーベル賞受賞者はこれまで96人で、スタンフォード大学よりも多く、工科大学としては世界トップの受賞数となっている[注釈 2]。最も古く権威ある世界大学評価機関の英国Quacquarelli Symonds (QS) による世界大学ランキングでは、2013年版以来2024年版まで、ハーバード大学ケンブリッジ大学等を抑えて12年連続で世界第一位という記録的な偉業を達成している。特にMIT工学部(SoE)、MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)およびMITメディアラボ(MIT Media Lab)を擁する情報工学コンピュータ科学分野では、スタンフォード大学カリフォルニア大学バークレー校と共に世界最高峰の1つである。また、MITスローン経営大学院(MIT Sloan)は世界トップクラス(工科大学では世界トップ)のビジネススクールであり、MBA提供校としても名高い(M7の参加校)。

ケンブリッジ大学オックスフォード大学ハーバード大学スタンフォード大学と共に世界トップ5大学として知られる。

同じくケンブリッジ市にあるハーバード大学とはライバル校であるが、学生達がそれぞれの学校の授業を卒業単位に組み込める単位互換制度 (Cross-registration system) が確立されている。このため、ケンブリッジ市は「世界最高の学びのテーマパーク」とさえも称されている。物理学や生物学などの共同研究組織を立ち上げるなど、ハーバード大学との共同研究も盛んである。また、大学新聞としてThe Techが発行されている。

MITはランドグラント大学でもある。他の科学的および古典的研究を排除し、軍事戦術を含むことなく、農業および機械工芸に関連する学問の分野を、州の立法府がそれぞれ規定するような方法で教え、生活におけるいくつかの追求と職業における産業階級の自由で実践的な教育を促進することを目的として設立された。1865年から1900年の間に約19万4千ドル(これは2008年時点の生活水準でいうところの380万ドルに相当)のグラントを得、また同時期にマサチューセッツ州から更なる約36万ドル(2008年時点の生活水準で換算して700万ドルに相当)の資金を獲得している[11]

アメリカにおいて、シリコンバレーなどと並ぶ先端技術産業の集積地であるボストンのルート128地域においても、中核的な役割を果たす機関である。MITメディアラボは情報技術関連の先端を走る研究所としてマスメディアなどでも頻繁に取り上げられる。特筆すべきは、同研究所で開発された情報処理システム(アテネプロジェクト)がキャンパスネットワークの根幹を占めること、なおかつそのプロジェクトの研究成果が、アメリカ以外の大学院大学などでも活用され、成果を挙げていることである。

MITは、ボストン近郊所在の他大学(ハーバード大学ウェルズリー大学マサチューセッツ大学)との間で、学生や研究者同士の交流も推進している。近年、大学の全授業をweb上で公開する試み(オープンコースウェア)がなされており、遠隔教育関係者や教育関係者一般から広く注目を集めている。現在、日本人建築家槇文彦によってキャンパスの増築がなされている。

超富裕層(UHNW、Ultra High-Net-Worthの略)に関するリサーチや評価を行うWealth-Xが資産が3000万ドルを超える超富裕層がどの大学に通っていたかを分析した結果(Wealth-Xは学部と大学院両方の学位所有者を卒業生としてカウント。修了証書取得者・名誉学位受賞者・中退者などは集計から除いた)、2017年に発表した時点で、マサチューセッツ工科大学出身者は全米六位の375人いると報じられた[12]


注釈

  1. ^ 「ミット」は誤用で、主に日本、欧州の極めて一部で用いられる。
  2. ^ List of Nobel laureates by university affiliation
  3. ^ この状況についてMITのある校長は「ここ (MIT) は子供が遊ぶ場ではなく、大人が学ぶための場所である」とその特徴について語っている。
  4. ^ なかには思い上がった者がボールボーイなどと中傷する者もいた。
  5. ^ MITには鉄道の引き込み線なども存在した
  6. ^ 正確には「ボストン地区にあった他の候補に比べて」という意味であり、ほかの大学は実践経験が乏しい理論派学校か美術学校ばかりで軍の基準に合致しなかったためである。実際にプロジェクトを行う上で、政府はロチェスター大学のリー・ドゥブリッジを指導者として招いた。
  7. ^ これらが日本の大学における「学部」・「研究科」に相当する。

出典

  1. ^ Symbols: Seal”. MIT Graphic Identity. MIT. 2010年9月8日閲覧。
  2. ^ MIT releases endowment figures for 2014”. MIT News. 2014年9月13日閲覧。
  3. ^ Faculty and Staff”. MIT Facts. MIT. 2014年3月11日閲覧。
  4. ^ a b Enrollment Statistics”. MIT Registrar. 2014年9月13日閲覧。
  5. ^ The Campus”. MIT Facts 2012. 2012年5月31日閲覧。
  6. ^ Colors - MIT Graphic Identity”. Massachusetts Institute of Technology. 2014年9月26日閲覧。
  7. ^ The Official Site of MIT Intercollegiate Athletics - MIT”. 2015年9月6日閲覧。
  8. ^ Symbols: Mascot”. MIT Graphic Identity. MIT. 2010年9月8日閲覧。
  9. ^ NAICU – Member Directory Archived 2015年11月9日, at the Wayback Machine.
  10. ^ 藤崎博也 編『日本MIT会七十五年の歩み』日本MIT会、東京、1986年10月31日、[要ページ番号]頁。 
  11. ^ D. Kaiser (2010). Becoming MIT. MIT Press. p. [要ページ番号]. ISBN 9780262113236 
  12. ^ The 20 colleges that have created the most millionaires and billionaires/BUSINESS INSIDER Written by Tanza Loudenback May 18, 2017, 1:45 AM JST 2024年5月閲覧
  13. ^ フレッド・ハプグッド 著、鶴岡雄二 訳『マサチューセッツ工科大学』新潮社、1995年9月25日、[要ページ番号]頁。ISBN 9784105315016 
  14. ^ SHIMBUN,LTD, NIKKAN KOGYO. “【電子版】米MIT、寄付基金資産 約1.6兆円に”. 日刊工業新聞電子版. 2022年5月1日閲覧。
  15. ^ a b Lu-Hai Liang (2012年9月13日). “What's it like to study at MIT?”. theguardian,. https://www.theguardian.com/education/2012/sep/13/whats-it-like-to-study-at-mit 2014年9月13日閲覧。 
  16. ^ a b Paul Krugman, PhD ’77”. MIT Technology Review. MIT News Magazine (2014年8月19日). 2014年9月13日閲覧。
  17. ^ 日経BP. “理系の世界的な名門・MITで、なぜ音楽の授業が人気?:日経xwoman”. woman.nikkei.com. 2023年1月10日閲覧。
  18. ^ 日経BP. “理系の世界的な名門・MITで、なぜ音楽の授業が人気?:日経xwoman”. woman.nikkei.com. 2023年1月10日閲覧。
  19. ^ IHTFP Hack Gallery”. 2005年6月2日閲覧。


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