ホンダ・アコード
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9代目 CR5/6型(2013-2016年)CR7型 (2016年-2018年)
ホンダ・アコード(9代目) CR型 | |
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北米仕様セダン | |
北米仕様クーペ | |
中国仕様車 | |
概要 | |
製造国 |
アメリカ合衆国 タイ 中国 ナイジェリア |
販売期間 | 2012年-2018年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドア セダン、2ドア クーペ |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
K24W型:2.4L 直4 DOHC i-VTEC 直噴 J35Y型:3.5L V6 SOHC i-VTEC J30A5型:3.0L V6 SOHC i-VTEC |
変速機 | 6速MT、CVT、6速AT |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット |
後 | マルチリンク |
車両寸法 | |
ホイールベース |
セダン:2,776 mm クーペ:2,725 mm |
全長 |
セダン:4,862 mm クーペ:4,806 mm |
全幅 | 1,849mm |
全高 |
セダン:1,466 mm クーペ:1,435 mm |
その他 | |
生産工場 | アユタヤ工場、オハイオ工場、広州增城工場 |
北米仕様 CR1/2/3型
2012年の北米国際オートショーでプロトタイプ2013モデルとしてセダン、クーペともに発表され、その後9月19日にセダンが、翌10月15日にクーペがアメリカ国内で発売。追ってカナダや韓国、ロシア、オーストラリアなどの各市場でも2012年から2013年にかけて順次発売されている。なお、中華人民共和国では2013年9月12日に広汽本田汽車が9代目アコードを発売したが、中国仕様車については大型化された独自のフロントグリルを備えている[42]。
ボディサイズは先代よりややコンパクトになっており、軽量化や運動性能の向上に寄与している。室内容量は先代よりわずかに小さくなったものの、ヘッドルームやショルーダールームはほぼ同サイズで、リアレッグルームやトランク容量は大きく拡大した。フロントサブフレームは、アルミニウムとスチールのハイブリッド構造でホンダ独自の摩擦攪拌接合により連続接合している[43]。新世代のACE(Advanced Compatibility Engineering)衝突安全ボディを採用し、高張力鋼板の使用率もアップしている。
今回のモデルでは、エンジンはセダン、クーペともに直4 2.4LとV6 3.5Lという構成は変わらないが、「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」と称する技術を導入し改良された。直4はK24W型直噴エンジンに一新して環境性能を大幅に上げるとともに、最高出力も185hpとしており、トルクも全域で大幅に向上した。バルブ挟み角は51度から35度に変更されたことにより燃焼室がコンパクトとなった。また、圧縮比は10.5から11.1と高圧縮比化された。
エンジン重量も先代より3.5%の軽量化を果たしている。スポーツセダンモデルではハイフローエギゾーストの採用により最高出力が189hpと4hp向上している。一方、V6基本こそ変わらないものの、吸排気ポートやi-VTECの改良により最高出力を278hpにまで引き上げている。6速ATモデルで採用されるVCMは、先代の6-4-3気筒の3段階からリアバンクの3気筒を休止する2段階となったものの、i-VTECによる低速、高速域での吸気バルブタイミング・リフト量切り替え機能が加わっており(リアバンクは休止含め3ステージ)[44]、実用域のトルクが大幅向上した。その結果3気筒での動作域の拡大が可能となり燃費アップにつながっている。i-VTECの切り替えタイミングは5,150rpmとなっている(VCM非搭載の6速MTモデルは4,900rpm)。3気筒での動作域の拡大に伴う振動に対応するため、28V駆動の新型ACM(アクティブコントロールエンジンマウント)を採用している。これらに組み合わせられるトランスミッションは、セダン/クーペのEX-LとセダンのV6モデル以外では6速MTが標準となっており、4気筒モデルでは先代の5速MTからよりコンパクトな6速MTに変更された。オプションでアコード初となるCVTが直4に、6速ATがV6に用意され、ともにパドルシフトが備わる(先述のグレードには標準装備)。なお、2013年には追ってプラグインハイブリッド仕様も追加される。
最上位のツーリングセダンモデルでは、ホンダ初のLEDプロジェクターヘッドライトが採用され、V6モデルにはLEDのデイタイムランニングライト(DRL)が採用されている。
安全装備については、今回新たに設定されたものとして、LaneWatchブラインドスポットモニターが挙げられる。 これは、ドアミラーに内蔵されたカメラを使って、車外の死角となる部分を室内のモニターに映し出し、LEDで知らせることで、危険を減らそうというものである。同時に、車線をはみ出した時にアラームで知らせる車線逸脱防止システムも装備する。
- 2012年9月19日にアメリカで発売が開始された。
- 2013年3月15日 - メディア向けに技術説明会が行なわれ、その席上において次期モデルが6月にハイブリッド専用車種として復活し、6代目以降 仕向け地に合わせて複数存在した車体も、北米仕様と日本国内仕様とが共通になると、報道された[45]。
- 2013年5月31日 - ホームページで先行公開した。ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド) i-MMD」を搭載し、燃費は30.0km/L(JC08モード)と発表されている[46]。
- 2013年6月20日 - 日本国内でアコードハイブリッド、アコードプラグインハイブリッドを公式発表。翌6月21日より販売開始[47]。
- 2015年7月10日 - ナイジェリアのホンダオートモービル・ウエスタンアフリカの工場で生産開始[48]。
2016年マイナーチェンジ
フロントデザインは大幅に見直され、インラインタイプのフルLEDヘッドライト及びLEDフォグライトが採用された。そのイメージは車両グレードに見合った高級かつ精巧なものになった。ホイールサイズはEXグレードで18インチが採用された。特筆すべき点はボディ剛性強化、振幅反応ダンパー採用、防音仕様の見直しによる乗り心地(NVH)面で大幅な改善が図られた点。改善効果は大きく、クラスに見合ったNVHを得た。安全面でも改善されホンダセンシングが標準装備化。特にACCは全車速度追従方式へ改善され、インパネ上部のセンターディスプレイに左後方を広く映すLane Watch機能が追加。これは車両の左後方の映像をドアミラーに内蔵したカメラによりドライバーへ視覚的に映像情報を伝える安全装備である(業界初)。
ナビ配置は上段から下段へ移され、新たにApple CarPlayやAndroid Autoの機能が付加され車両のネット接続がより促進された。後期型はシフトノブが廃され、5代目レジェンドや2代目NSXで採用されたエレクトリックギアセレクターに変更された。この流れは車両の電動化を象徴する変化である。実際、アコードのパワートレインの主役はモーターであり、トルコン及びミッション等のトルク伝達機構は存在しないため、PHVに近いと言える。エンジンとモーターの仕様も一部改善され、燃費も改善されている。トランクスペースはHV用のバッテリーが小型化し、よりスペースが確保された。
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クーペ(コンセプト)
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改良型
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中国仕様車改良型(ハイブリッド仕様)
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中国仕様車改良型
注釈
- ^ アメリカ輸出仕様は営業上の都合から、汎用品を他社購買してフルATを採用するモデルを用意していたが、日本国内仕様は自社開発の半自動式であった。
- ^ 名称としては「ホンダマチック4速フルオート」を名乗り「ホンダマチック」の名を残していた。
出典
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- ^ 名車を生む力 時代をつくった3人のエンジニア - 株式会社二玄社
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- ^ 同上 96ページ
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- ^ アコードとして|アコード ハイブリッド - Honda公式サイト
- 1 ホンダ・アコードとは
- 2 ホンダ・アコードの概要
- 3 2代目 SY/SZ/AC/AD型(1981-1985年)
- 4 3代目 CA1/2/3/4/5/6型(1985-1990年)
- 5 4代目 CB1/2/3/4型(1989-1994年)
- 6 5代目 CD3/4/5/6型(1993-1997年)
- 7 6代目 CF3/4/5/CL1/3型(1997-2002年)
- 8 7代目 CL7/8/9型(2002-2008年)
- 9 8代目 CU1/2型(2008-2013年)
- 10 9代目 CR5/6型(2013-2016年)CR7型 (2016年-2018年)
- 11 10代目 CV3型(2017年 - 2023年)
- 12 11代目 CY2型(2023年 - )
- 13 車名の由来
固有名詞の分類
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