スロットル 概要

スロットル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/18 04:52 UTC 版)

概要

スロットルは、ガソリンエンジンなどの予混合燃焼機関では、エンジンへの吸気空気あるいは混合気)の流入量を調整し、エンジンの出力を調節する弁である。空気取得口インテークマニホールドの間に位置し、流路断面とほぼ同じ直径の円盤を流路に直交するで回転させて開閉するバタフライバルブ式が主流である。キャブレターには円筒や平板を流路に直交する方向にスライドさせるスライドバルブ式もある。

自動車オートバイ[1]用エンジンは他の用途のエンジンに比べると回転数負荷の変動幅が大きく、スロットルを全開にしたまま使用する状況は限られる。スロットルを絞った運転条件では、スロットルによって吸気の流れに発生する抵抗が大きく、ポンピングロス(吸排気損失)が大きくなる。吸気経路にスロットルを用いず燃料噴射量で出力を制御するディーゼルエンジン[2]は、この点においてガソリンエンジンに比べて熱効率の面で優れる。一方ガソリンエンジンでも、可変バルブ機構希薄燃焼などの技術を採用してスロットルを廃し、ポンピングロスを減らす工夫が実用化されている。

かつてのオートバイに広く採用されていた負圧可変ベンチュリキャブレター(CVキャブレター)は、スロットル操作に対しベンチュリの動作が若干遅れる特徴がある。このことから、エンジンの出力変化が緩やかで、かつ、広い範囲で扱いやすい特性を持っている。今日ではキャブレターに代わり、電子制御燃料噴射装置が主流となっていて、エンジンの出力特性を扱いやすくするために、電子制御で開閉するセカンダリスロットルバルブを別に設ける場合がある[3]


  1. ^ 小型船舶パーソナルウォータークラフトスノーモービルも同様。
  2. ^ 市販車用ディーゼルエンジンでは、1970年代からガバナーの制御用に吸気管の負圧を利用するものが現れ、それらには負圧発生用のスロットルバルブが備わっていた。また、トヨタ・L型エンジンなどは乗用車への搭載にあたり、アイドリング付近の吸気騒音とエンジンの振動を低減するために、負圧発生用のスロットルバルブを利用している。また、排気再循環装置を採用している場合、EGRガス導入のためにスロットルバルブ等による吸気制御が必要となる。
  3. ^ GSX-R1000 に搭載した S - DMS 装置の開発について” (pdf). 公益社団法人自動車技術会. 2011年9月28日閲覧。


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