シング・ストリート 未来へのうた
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シング・ストリート 未来へのうた | |
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Sing Street | |
監督 | ジョン・カーニー |
原案 |
ジョン・カーニー サイモン・カーモディ[注 1] |
製作 |
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出演者 |
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撮影 | ヤーロン・オーバック[注 3] |
編集 |
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製作会社 |
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配給 | |
公開 | |
上映時間 | 105分36秒[3] |
製作国 |
アイルランド アメリカ合衆国 イギリス |
言語 | 英語 |
興行収入 |
960万ドル[4] 1億6000万円[5] |
画像外部リンク | |
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en:image:Sing Street poster.jpeg ? 本国での劇場公開時のポスター |
映画は、2016年1月24日に、サンダンス映画祭 (2016 Sundance Film Festival) でワールド・プレミアを迎えた[6]。その後アイルランドで3月17日、アメリカ合衆国で4月15日、イギリスで5月20日に封切られた[7][8][9]。日本では同年7月9日にヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントなどで公開され、その後全国展開された[10][11]。
あらすじ
舞台は1985年の、ダブリン南部にあるインナーシティ地区。この場所に住むロウラー家は、不況から建築家の父ロバート(演:エイダン・ギレン)が失業し、苦境に立たされていた。喧嘩が絶えないロバートと妻ペニー(演:マリア・ドイル・ケネディ)は別居も考えており[注 5]、ロバートは酒浸りで喫煙量も増えている。ある日の家族会議で、ロバートは末の息子コナー(主人公、演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)へ、学費を節約するため、私立学校から無料の公立高校へ転校するよう話す。ロバートは転校先のシング・ストリート高校について、評判は良い学校だと話すが、コナーの兄・ブレンダン(演:ジャック・レイナー)は、ばらばらになった家族の現状とコナーの転校を思い切りからかう。そんな現状から逃れるように、ブレンダンとコナーはロンドンのポップ音楽へのめり込む。
シング・ストリート高校は「クリスチャン・ブラザーズ」というカトリックの修道会が運営する学校で、コナーが元いたイエズス会運営の学校とは校風が違っていた。登校初日、校則違反の茶色い靴を校長のバクスター修道士(演:ドン・ウィチャリー)に見咎められ[注 6]、いじめっ子のバリー(演:イアン・ケニー)に目を付けられてしまう。散々なスタートを切ったコナーに、ただひとり自称「校内コンサルタント」のダーレン(演:ベン・キャロラン)が声を掛け、2人は友人になる。2人が下校しようとした時、コナーは、高校の真向かいにあるフラットの入り口に立つ若い女性モデル・ラフィーナ(演:ルーシー・ボイントン)に気付き、その姿に一目惚れする。彼女の気を引くため、コナーは組んでもいないバンドのミュージック・ビデオ (MV) へ出演しないかと持ちかけ、ラフィーナの電話番号を手に入れる。成り行きでダーレンはマネジメント担当を引き受け、楽器に万能な友人・エイモン(演:マーク・マッケンナ)をコナーに引き合わせる。
その後「街で唯一の黒人」として誘われたンギグ(演:パーシー・チャンブルカ)、メンバー募集の張り紙を見てやってきたギャリー(演:カール・ライス)とラリー(演:コナー・ハミルトン)を加え、バンドは5人体制になる。またバンド名は、高校名とかけて「シング・ストリート」(英: Sing Street)に決まる[注 7]。彼らはエイモンの家で1980年代のバンドをコピーし始めるが[注 8]、デュラン・デュランのヒット曲をコピーしたテープを聴いたブレンダンは、ロックの師匠として「他人の曲で女の子を口説くな、自分の曲を作れ」と弟を叱咤する。コナーはエイモンと作曲を始め、自作曲『モデルの謎』(英: "The Riddle of the Model")を完成させる。メンバーはてんでんばらばらの衣装を着てミュージック・ビデオ撮影に臨み、ラフィーナは謎のあるモデル役とメイクアップを担当する。撮影後、コナーはラフィーナを家まで送り届け、キスをしようとする。ところがそこにラフィーナの年上の彼氏・エヴァン(演:ピーター・カンピオン)がオープンカーを乗り付け、彼女を連れて走り去ってしまう。別れ際にラフィーナは、エヴァンとロンドンに出て、モデルとして成功すると夢を語る。2人が立ち去った後、コナーはラフィーナの住むフラットが、実は身よりの無い子供たちのために作られた施設だと気付く。帰宅して落ち込むコナーを、ブレンダンは彼なりに勇気づけて弟の恋を応援する。
数日後、コナーと再び会ったラフィーナは、自分の生い立ち[注 9]をコナーに話し、新曲を書いて、自分がロンドンに発つ前にMVを撮影してほしいと頼む。海辺のダン・レアリー[注 10]で2本目のMVを撮影している最中、ラフィーナは「何事も半端はだめ」と、泳げないにもかかわらず作品のため海へ飛び込む。コナーは海へ飛び込みラフィーナを助けてキスを交わし、2人の間に信頼感が生まれる。
ロバートとペニーの婚姻はいよいよ破綻を来すが[注 11]、一方でコナーとラフィーナは交際を進展させ、2人はコナーの祖父が所有していたモーターボートでダン・レアリーから程近いダルキー島へ向かう。島から、アイルランドを離れブリテン島へ向かうフェリーを見た2人は[注 12]、ラフィーナの「アイルランドを離れロンドンに行く」夢について語り合う。
学校主催のプロムを初ライブに決めたメンバーは、新曲・MV作りに没頭する。コナーは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ばりのMVを撮ろうと妄想するが[注 13]、ラフィーナは撮影現場に現れない。彼女のフラットに向かったコナーは、住人からラフィーナがエヴァンと共にロンドンへ旅立ったことを伝えられる。ところが、エヴァンにはつてなど無くロンドンで雲隠れし、彼に騙されたラフィーナは程なくしてダブリンに戻ってくる。バンドはプロムに向けて準備を進め、家庭環境からぐれていたいじめっ子のバリーをローディーとして引き込む。プロムでのライブでは、バクスターを揶揄する歌まで歌って大成功する。
プロムの後、コナーとラフィーナは、モーターボートが停泊しているダン・レアリーまで送ってほしいとブレンダンに頼み込む。2人はモーターボートでウェールズのホリーヘッド[12]へ向かう計画を明かす。コナーとラフィーナはブレンダンに見送られ、ロンドンでの新しい生活を求めて、ブリテン島へ向かうフェリーを追うように、モーターボートでアイリッシュ海を渡るのだった。
映画の最後には、"For Brothers Everywhere" との献辞が表示される[15]。
キャスト
以下は公式パンフレット、プロダクション・ノートに拠った[16][17]。
役名 | キャスト | 日本語吹替 | 備考 |
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コナー・"コズモ"・ロウラー[注 14] Conor "Cosmo" Lalor[18] |
フェルディア・ウォルシュ=ピーロ Ferdia Walsh-Peelo |
小川ゲン | 主人公、バンド『シング・ストリート』のボーカル |
ラフィーナ Raphina |
ルーシー・ボイントン Lucy Boynton |
近藤唯 | ロンドンで大成することを目指すモデル、本作のヒロイン |
ブレンダン Brendan |
ジャック・レイナー Jack Reynor |
金谷ヒデユキ | コナーの兄で「ロックの師匠」 |
ロバート Robert |
エイダン・ギレン Aidan Gillen |
宮崎敦吉 | ブレンダン、アン、コナーの父で、失業した建築家 |
ペニー Penny |
マリア・ドイル・ケネディ Maria Doyle Kennedy |
仲村かおり | ブレンダン、アン、コナーの母 |
アン Ann |
ケリー・ソーントン Kelly Thornton |
ブレンダンの妹、コナーの姉。大学で建築を学ぶ | |
ダーレン Darren |
ベン・キャロラン Ben Carolan |
バンド『シング・ストリート』のマネージャー・カメラマン | |
エイモン Eamon |
マーク・マッケンナ Mark McKenna |
楽器に万能。バンド『シング・ストリート』のギター | |
ンギグ Ngig |
パーシー・チャンブルカ Percy Chamburuka |
黒人という理由で誘われた、バンド『シング・ストリート』のキーボード | |
ラリー Larry |
コナー・ハミルトン Conor Hamilton |
バンド『シング・ストリート』のドラム | |
ギャリー Garry |
カール・ライス Karl Rice |
バンド『シング・ストリート』のベース | |
バリー Barry |
イアン・ケニー Ian Kenny |
いじめっ子でコナーに目を付けるが、後にバンドのローディーとなる | |
バクスター校長 Brother Baxter |
ドン・ウィチャリー Don Wycherley |
千葉繁 | シング・ストリート高校の校長を務める修道士 |
ミス・ダン Miss Dunne |
リディア・マクギネス Lydia McGuinness |
シング・ストリート高校の美術教師 |
注釈
- ^ 英: Simon Carmody
- ^ a b Anthony Bregman of Likely Story, John Carney, Kevin Scott Frakes, Christian Grass, Martina Niland, Raj Brinder Singh, Paul Trijbits
- ^ 英: Yaron Orbach
- ^ Andrew Marcus, Julian Ulrichs
- ^ アイルランドでは、1995年の国民投票 (en) を受けて改正されるまで、離婚が憲法で禁止されていた[12]。1986年にも離婚容認を目指した同様の国民投票が行われているが、これは反対多数で否決されている (en) 。またアイルランドには、離婚を教義で禁止するローマ・カトリックの信者も多い。
- ^ コナーは校則を知らなかったためで悪気はなく、買い直す余裕もないと訴えるが、校長は学校にいる間は靴を校長室に置いていくよう言いつける。このせいでコナーはしばらく靴下のみで学校生活を送ることになる。後に彼は、美術の時間に靴を黒く塗って校長に対抗するが、その後も化粧を見咎められるなど、コナーは反抗的な生徒として敵視される。
- ^ 高校名は、同じ読みでスペルが違う "Synge Street CBS" である。
- ^ エイモンの父が結婚式の余興でコピーバンド演奏を行うことから、エイモンの家には楽器が豊富にあった。
- ^ 酒浸りだったラフィーナの父は数年前に自動車事故で亡くなり、母は躁鬱病から入退院を繰り返していた。
- ^ ダブリンの南側にある海沿いの町。
- ^ ペニーはパートで働く職場の上司と不倫関係にあった。夫妻は別居を選び、ペニーは不倫相手のトニーと住むため家を出て行く。ロバートと子供たちは家に残るが、数日後に家は売りに出される。
- ^ 映画冒頭で、1980年代に不況に陥ったアイルランドでは、仕事を求めてイギリスに渡る若者が多かったことが語られる。
- ^ 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)が、30年前の1955年にタイムトラベルし、プロムでギターを弾くシーンがある。また映画自体は、作品の舞台となっている1985年に公開された。日本版公式パンフレットでは、Base Ball Bearの小出祐介がこのオマージュについて指摘している[13]。このシーンで使われる曲 "Drive It Like You Stole It"のMVはYouTubeの公式アカウントで視聴できる[14]。
- ^ 「コズモ」(英: "Cosmo")の名前は、「バンドにはインパクトが必要」としてラフィーナが付けた愛称。
- ^ 英: Graham Henderson and Zamo Riffman
- ^ 英: Robert Flanagan
- ^ 英: Tiziana Corvisieri
- ^ 英: Best Makeup & Hair
- ^ 「今年の見逃された作品」の意味。
出典
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- ^ Sing Street - Drive It Like You Stole It (Official Video) - YouTube
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- ^ 作品公式Facebookより:“Sing Street - 基本データ”. Facebook. 2016年9月13日閲覧。
- ^ a b “映画「シング・ストリート 未来へのうた」2017年2月2日(木)Blu-ray&DVDリリース”. ギャガ. 2016年12月13日閲覧。
- 1 シング・ストリート 未来へのうたとは
- 2 シング・ストリート 未来へのうたの概要
- 3 制作
- 4 評価
- 5 リリース
- 6 脚注
- シング・ストリート 未来へのうたのページへのリンク