カリウム40 人体での内部被曝線量

カリウム40

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 14:05 UTC 版)

人体での内部被曝線量

カリウムは動植物の必須元素として体液や組織中に量の調節されながら多量に存在することから、天然カリウム中のカリウム40に起因する放射線は内部被曝の最大要因となっている。食品中にもカリウムが多く含まれ、それに起因する白米1kg中の放射能は33ベクレル(Bq)、同様に乾燥昆布では1600Bq/kg、納豆は200Bq/kg、豚ひれ肉は120Bq/kg、牛乳は45Bq/kgほどになる。また外洋の海水中において1リットルあたり12.1Bqが含まれる。

アルカリ金属であるカリウムはナトリウムと同様陽イオンの形で水中に存在しやすく、経口摂取により体内に取り込まれすみやかに全身に広がることとなる。飲食で人体中に取り込まれるカリウム40の放射能は1日あたり約50Bqであるが、通常の生活においては体内の蓄積量が平衡量まで達しているので、人体中へ余分のカリウムが吸収されるのに伴って速やかに同等の量が排泄される[5][6]。つまり、摂食によるカリウム量の変動はほぼ無く、被曝量の変化も無い。その生物学的半減期は30日とされる。人体が持つ放射能は、体重60kgの成人男子で約4000Bqであり[7]、これによる年間の内部被曝線量は、0.17ミリシーベルト(mSv)となる。

関連項目


  1. ^ Nuclide Information 19-K-40”. 2010年9月3日閲覧。
  2. ^ 上田誠也、水谷仁 『岩波地球科学選書 地球』 岩波書店、1994年
  3. ^ E. Anders and N. Greverse, Abundances of the elements: Meteoritic and solar. Geochim. Cosmochim. Acta 53 (1989).
  4. ^ 松井義人、一国雅巳 訳 『メイスン 一般地球化学』 岩波書店、1970年
  5. ^ 預託実効線量の計算方法
  6. ^ https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_09-01-01-07.html
  7. ^ 高田純 『世界の放射線被曝地調査 自ら測定した渾身のレポート』 講談社 2002年 ISBN 4-06-257359-8 p.38.日本成人の平均値であり、著者自身(体重60kg以上)も測定した結果は4000ベクレルであったと記す。


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