アズドルバル・カブレラ
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経歴
プロ入りとマリナーズ傘下時代
2002年8月26日にシアトル・マリナーズと契約してプロ入り。
2004年、傘下のA-級エバレット・アクアソックスでプロデビュー。63試合に出場して打率.272、5本塁打、41打点、7盗塁を記録した。
2005年はA級ウィスコンシン・ティンバーラトラーズとA+級インランド・エンパイア・シックスティシクサーズでプレー後、8月31日にAAA級タコマ・レイニアーズへ昇格。AAA級タコマでは6試合に出場した。
2006年はAAA級タコマでプレーし、60試合に出場して打率.236、3本塁打、22打点、7盗塁を記録した。
インディアンス時代
2006年6月30日にエドゥアルド・ペレスとのトレードで、クリーブランド・インディアンスへ移籍した。移籍後は傘下のAAA級バッファロー・バイソンズでプレーし、52試合に出場して打率.263、1本塁打、14打点、5盗塁を記録した。
2007年は招待選手としてインディアンスのスプリングトレーニングに参加したが、3月16日にAA級アクロン・エアロズへ降格し、そのまま開幕を迎えた。イースタンリーグのオールスターに選出後、7月30日にAAA級バッファローへ昇格した。8月7日にインディアンスとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りし[2]、8月8日のシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャーデビュー。二塁手として先発出場したが、3打数無安打1死球1得点に終わった[3]。8月11日のニューヨーク・ヤンキース戦では、マイク・ムッシーナから二塁打を放ち、メジャー初安打を記録[4]。8月18日のタンパベイ・デビルレイズ戦では、ジェイソン・ハメルからメジャー初本塁打を放った[5]。カブレラは本来遊撃手であったが、この年は不振のジョシュ・バーフィールドに代わって正二塁手の座につくことになった。この年メジャーは45試合に出場して打率.283、3本塁打、22打点を記録した。試合終盤では力を発揮し、7回以降の打率は.375(56打数21安打)を記録した[6]。また幸運のお守りとして妻が作った白いビーズのネックレスを身につけていた[7]。
2008年2月28日にインディアンスと1年契約に合意。5月12日のトロント・ブルージェイズ戦ダブルヘッダー第2試合で、メジャー史上14人目(球団史上3人目、二塁手では4人目)となる無補殺三重殺を達成した。5回表の守備でライル・オーバーベイのライナーを捕球し一死、二塁を踏み二塁走者のケビン・メンチがフォースアウトになり二死、さらに飛び出した一塁走者のマルコ・スクータロをタッチアウトにし三重殺を完成させた[8]。開幕後52試合に出場していたが、打率.184と結果を残せず、6月9日にAAA級バッファローへ降格した[9]。7月18日に再昇格[10]。9月19日のデトロイト・タイガース戦で、7回表に起こった乱闘騒ぎに加わったため、22日にMLB機構から3試合の出場停止処分を受けた[11]。この年は114試合に出場して打率.259、6本塁打、47打点、4盗塁を記録した。
2009年3月10日にインディアンスと単年契約に合意した。開幕から二塁手として起用され、5月から遊撃手へ転向した。6月2日のミネソタ・ツインズ戦で走塁中、野手と衝突して肩を痛め、翌3日に15日間の故障者リスト入りした[12]。6月28日に復帰した[13]。8月には月間打率.370という成績を残した。この年は131試合に出場して打率.308、6本塁打、68打点、17盗塁を記録した。ファンからの投票で強打者を選出するハンク・アーロン賞にインディアンスからの候補としても選ばれている[14]。
2010年は遊撃手として開幕から33試合に出場していたが、5月17日のタンパベイ・レイズ戦で左前腕を負傷し、翌18日に15日間の故障者リスト入りした。同日に手術を行い[15]、5月19日に60日間の故障者リストへ異動。7月20日に復帰した[16]。この年は故障の影響で97試合の出場にとどまり、打率.276、3本塁打、29打点、6盗塁だった。
2011年1月17日にインディアンスと202万5000ドルの1年契約に合意した[17]。7月には自身初となるオールスターに選出された。オールスターではファン投票で選出されたデレク・ジーターが故障で欠場したため、先発メンバー入りした。この年は自己最多の151試合に出場。打率.273、25本塁打、92打点、17盗塁と結果を残し、シルバースラッガー賞を受賞した[18]。
2012年1月に455万ドルの単年契約に合意し、4月4日にインディアンスと総額1650万ドルの2年契約を結んだ[19][20]。7月には2年連続でオールスターに選出された。この年は136試合に出場して打率.270、16本塁打、68打点、9盗塁を記録した。
2013年はシーズン開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のベネズエラ代表に選出された[21]。
シーズンでは開幕から53試合に出場していたが、6月4日に15日間の故障者リスト入りし[22]、26日に復帰した[23]。この年は136試合に出場して打率.242、14本塁打、64打点、9盗塁を記録した。
2014年は97試合に出場して打率.246、9本塁打、40打点、7盗塁を記録した。
ナショナルズ時代
2014年7月31日にザック・ウォルターズとのトレードで、ワシントン・ナショナルズへ移籍した[24]。ナショナルズには正遊撃手のイアン・デズモンドが在籍していたため、二塁手へ転向する。ナショナルズでは49試合に出場して打率.229、5本塁打、21打点、3盗塁だった。シーズン全体では146試合に出場し、打率.241、14本塁打、61打点を記録した。オフの10月30日にFAとなった。
レイズ時代
2015年1月10日にレイズと750万ドルの単年契約を結んだ[25]。
同年は5月9日のテキサス・レンジャーズ戦では、二塁走者だったカブレラは二塁への牽制に対してスライディングしセーフだったが、この際に二塁手だったアダム・ロサレスが膝で塁を塞いでいたため、これに激高しロサレスの胸を両手で押した。これに両軍総出の一触即発の場面となったが事態が収まった後に、ベース上でロサレスがカブレラに謝罪し事なきを得た[26]。同年は正遊撃手として起用され、143試合に出場して規定打席に到達。打率.265、15本塁打、58打点を記録した。オフの11月2日にFAとなった[27]。
メッツ時代
2015年12月10日に2年1850万ドルでニューヨーク・メッツと契約した[28]。
2016年は141試合に出場して打率.280、23本塁打、62打点、5盗塁を記録した。
フィリーズ時代
2018年7月27日にフランクリン・キロメとのトレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍した[29]。オフの10月29日にFAとなった[30]。
レンジャーズ時代
2019年1月24日にレンジャーズと350万ドルの単年契約を結んだ[31]。レンジャーズでは三塁手として起用されていたが、8月1日にDFAとなり[32]、3日にFAとなった[30]。
ナショナルズ復帰
2019年8月6日にナショナルズとメジャー契約を結んだ[33]。移籍後は二塁手として起用され、成績も残した(打率.323)ことで正二塁手になっていった。ポストシーズンではハウィー・ケンドリックが活躍したことで出場機会が減っていったが、ディビジョンシリーズで2打点を挙げた。ワールドシリーズでは全試合に出場(5先発)して、第2戦で3打点を挙げるなどの活躍を見せて球団史上初のワールドシリーズ優勝に貢献した。オフの10月31日にFAとなった[34]。
2020年1月8日にナショナルズと250万ドルの単年契約で再契約した[35]。オフの10月28日にFAとなった[36]。
ダイヤモンドバックス時代
2021年2月22日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスと175万ドルの単年契約を結んだ[37]。オプションとして最大105万ドルの出来高が含まれる。
2021年4月1日のパドレスとの開幕戦でダルビッシュ有から本塁打を記録した[38]。5月14日に右ハムストリングを痛めて10日間の故障者リスト入りとなった[39]。
レッズ時代
2021年8月27日にウェイバー公示を経てシンシナティ・レッズへ移籍した[40]。11月3日にFAとなった。
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