T7シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 00:13 UTC 版)
「90mm戦車砲 (アメリカ)」の記事における「T7シリーズ」の解説
M3 90mm戦車砲搭載のM36 GMC M3A1 90mm戦車砲搭載のM26A1重戦車 アメリカ陸軍は1940年より、M1 90mm高射砲を使用してきた。これは当初、単なる高射砲として運用されていたが、やがて低姿勢砲架を採用した両用砲型のM2が開発されたのに伴って、ドイツが8.8 cm FlaK 18/36/37で行ったのと同様に、対戦車砲としても運用されるようになった。 一方、当時の戦車駆逐大隊は、駆逐戦車としてM7 3インチ砲を搭載したM10 GMCおよびM1 76mm砲搭載のM18 GMCを運用しており、それなりの活躍を見せたものの、パンター中戦車やティーガーといったドイツ軍の重戦車を正面から撃破するには力不足であった。また、それ以前からより強力な対戦車向け火砲の戦車への搭載が検討されており、このことから、M2の開発と同時に、この90mm砲を戦車砲に転用することが研究されはじめた。 これによって開発された試作型がT7で、1943年にはM3として制式化され、M10 GMCに搭載されて試験が行われたのち、M36 GMCに搭載されて1944年より生産を開始した。また、M3 90mm戦車砲を搭載した重戦車としてM26パーシングが開発され、ドイツ軍のティーガーに対抗できる有力戦車として期待されたものの、「M4シャーマンで十分」とする、AGF(陸軍地上軍管理本部)の反対により、戦線への投入は遅延した。M3 90mm戦車砲は、固定薬莢式の90x600mmR弾を使用し、薬室圧力は38,000 psi (260 MPa)であった。 戦後、M3をもとにマズルブレーキをシングルバッフル式にするとともに、排煙器を付与したM3A1が開発された。これは、縦方向の砲安定機能が追加されたM67A1砲架と組み合わされてM26A1重戦車、続いてM46パットンに搭載された。また、その後、砲尾の金属加工を改良したマイナーチェンジ版としてM3A2が開発され、順次にM3A1を代替した。
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