2005年 - 2011年:インテルへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 14:58 UTC 版)
「Macintosh」の記事における「2005年 - 2011年:インテルへの移行」の解説
2005年6月6日、WWDCの基調講演において、1年後以降の消費電力あたりの性能向上が著しいことを理由に、2006年半ばよりCPUをPowerPCからインテルX86系のものへと順次切り替えていくとAppleより発表された。これは、特に熱に弱いノートパソコン向けに、インテルの低消費電力チップ「Pentium M」と歩調を合わせ、同社のコンピュータをより現代的なものにするために行ったものである。 すべてのMacにインテル製のX86プロセッサが採用され、それに伴って一部のMacの名称が変更された。Mac OS X 10.6以下(10.7以降はサポート終了)のインテルベースのMacでは、PowerPC用に開発された既存のソフトウェアをRosettaという動的コード変換プログラムを使って動かすことが可能だったが、ネイティブプログラムに比べて明らかに速度が遅かった。しかも、インテルのアーキテクチャでは、Classic環境を利用することができなかった。インテルMacの登場により、Virtual PCなどのエミュレーションソフトを使わずに、Appleのハードウェア上でMicrosoft Windowsをネイティブに動作させることが可能になった。2006年4月5日、Appleは、インテルベースのMacにWindows XPをインストールするためのソフトウェア「Boot Camp」のパブリックベータ版の提供を発表した。Mac OS X 10.5ではClassic環境が廃止され、Boot CampはインテルベースのMacの標準機能となった。 2006年以降、Appleのインダストリアルデザインはアルミニウムにシフトし、初代MacBook Proの筐体にもアルミニウムが使用された。2008年には、MacBook Proの高精細ユニボディ化に伴い、ガラスが採用された。これらの素材は環境にやさしいとされている。2022年現在、Mac Pro、iMac、MacBook Pro、MacBook Air、Mac miniの各シリーズは、すべてアルミニウム合金の塊から削り出したユニボディ筐体を採用している。当時のチーフデザイナージョナサン・アイブは、ノートパソコンのバッテリ交換を廃止するなど、製品をミニマルでシンプルなものにした。また、iPhoneで採用されているマルチタッチジェスチャーをMacでも採用し、ノートパソコンではマルチタッチトラックパッド、デスクトップパソコンではMagic MouseとMagic Trackpadを採用している。これにより、3本指や4本指などでの操作もできるよう改良され、スクロールのほか、画像の拡大・縮小や回転、Exposéの利用やアプリケーションの切り替えなどの機能が追加された。 2011年2月24日、Appleは、インテルと共同開発した新しいI/OインターフェースであるThunderbolt(コードネーム:Light Peak)を採用したコンピュータを初めて市場に投入した。Mini DisplayPortと同じ物理インターフェースを採用し、同規格との下位互換性を持つThunderboltは、双方向で10Gbit/sの転送速度を誇る。 2015年、IBMが自社に最大20万台のMacを順次導入すると発表し、Mac@IBMプログラムで自社へ大規模導入した経験 を元にAppleとの提携の一環として、IBM Managed Mobility Services for Mac を開始した。日本でも2016年5月より開始している。
※この「2005年 - 2011年:インテルへの移行」の解説は、「Macintosh」の解説の一部です。
「2005年 - 2011年:インテルへの移行」を含む「Macintosh」の記事については、「Macintosh」の概要を参照ください。
- 2005年 - 2011年:インテルへの移行のページへのリンク