ソダシ

実用日本語表現辞典

ソダシ

「ソダシ」とは、日本の競走馬の名前でありサンスクリット語で純粋・輝きのことを意味する表現。

「ソダシ」とは・「ソダシ」の意味

「ソダシ」は、2018年3月8日に北海道のノーザンファームで誕生した白毛の競走馬である。その名前にはサンスクリット語で「純粋」「輝き」という意味があり、馬主である金子真人が命名した。

ソダシは真っ白な毛並みが特徴の牝馬である。公益社団法人日本馬事協会によると、馬の毛色は黄褐色の栗毛や赤褐色の鹿毛など14種類と定められており、白毛もその中に含まれる。しかし、白毛の誕生は1万頭に1頭程度と生まれる確率が非常に低いため「奇跡の毛色」とも呼ばれている。

ソダシは誕生当初、その純白の毛並みから「アルビノ」ではないかと噂された。アルビノとは日本語で先天性色素欠乏症や白子症と呼ばれる疾患で、メラニンの生合成に関わる遺伝情報の異常により皮膚や毛髪に色素が無い個体を指す。アルビノはヒトを含めた哺乳類や爬虫類、植物など幅広く見られる疾患であり、ヒトの場合は国の難病にも指定されている。

しかし、ソダシはアルビノではなく「白変種」の白馬である。白変種とは色素の減少によって体毛や皮膚が白くなる個体のことで、一般的にはホワイトタイガーがよく知られている。ソダシの父は芦毛の「クロフネ」で母が白毛にまだら模様の「ブチコ」だが、ブチコの母でソダシの祖母にあたる「シラユキヒメ」が突然変異の白毛であり、その白毛が遺伝したのがソダシである。

鼻の先からひづめ、尾の先まで真っ白なソダシの競馬デビューは、2歳になった2020年の7月12日に函館競馬場で開催された新馬戦である。競馬界のアイドルとして注目を集める中、最終コーナーを回り先頭に立つとそのままゴールとなりデビュー初勝利を飾った。2着に2馬身半差をつける会心のレースで、白馬による史上初の芝の新馬戦勝利となった。続く9月の札幌2歳ステークス（G3）でも好スタートを切り、残り200mで先頭に立つとそのままゴール、初戦に続き2勝目を挙げた。

2戦2勝と世代最強馬の評価を受けることになったソダシは、10月のアルテミスステークス（G3）に出走、最終コーナーで先頭に立ち、2着に1馬身4分の3差をつけて無傷の3連勝、重賞2勝目を挙げた。そして12月には、阪神競馬場で開催された阪神ジュベナイルフィリーズで初のG1レースに出走する。連勝中でもあり堂々1番人気のソダシは、残り200mでデッドヒートを繰り広げるもハナ差で勝利し、白馬として世界初のG1勝利を飾った。

2021年になってもその勢いは衰えず、4月に開催された桜花賞（G1）でも1着となり白馬による初のクラシック勝利を飾る。続く5月の優駿牝馬（G1）で初黒星を喫するも、11月の札幌記念（G2）で再び1着を獲得する活躍を見せるなど、グッズが入手困難になるほどのソダシブームとなった。

一般的に競走馬の強さは、種牡馬（父）によると言われている。ソダシの父・クロフネは屈腱炎を発症して引退するまでの10戦で6勝を挙げており、母・ブチコもJRAダートで4勝、クロフネの父・フレンチデピュティも戦績はわずか6戦ながら4勝を挙げている。また、ソダシの兄弟には2019年4月に誕生した牝馬で鹿毛の「ママコチャ」と、2021年4月に誕生した牡馬で白馬の「モチコ」がおり、モチコはデビューしていないが、ママコチャは9戦4勝するなど、血統評価の高い系図となっている。

なお、美しく強いソダシであるが、性格は気難しく気性が荒い。2021年10月の秋華賞では10着と惨敗したが、これは出走時に暴れて口をゲートにぶつけ、歯が折れて出血したことが原因と言われている。体に触れられることを特に嫌うようで、嫌がると日常の世話をしている厩務員や調教師にも向かってくるという。

（2023年2月1日更新）

ウィキペディア

ソダシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/02/21 03:51 UTC 版)

ソダシ（欧字名:Sodashi、2018年3月8日 - ）は、日本の競走馬。主な勝ち鞍は2020年の阪神ジュベナイルフィリーズ、2021年の桜花賞、2022年のヴィクトリアマイル。