高橋和巳とは? わかりやすく解説

たかはし‐かずみ【高橋和巳】

読み方:たかはしかずみ

1931〜1971]小説家中国文学者大阪生まれ戦後文学影響を受け、知識人あり方追求した長編発表小説悲の器」「邪宗門」「散華」など。

高橋和巳の画像

高橋和巳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 06:45 UTC 版)

高橋 和巳
(たかはし かずみ)
河出書房出版社『文芸』第5巻第4号 (1966) より
誕生 1931年8月31日
日本大阪市浪速区
死没 (1971-05-03) 1971年5月3日(39歳没)
日本東京都新宿区河田町
墓地 冨士霊園
職業 小説家中国文学者
言語 日本語
国籍 日本
教育 修士(文学)
最終学歴 京都大学大学院文学研究科中国文学
活動期間 1962年 - 1971年
ジャンル 小説評論
代表作悲の器』(1962年)
憂鬱なる党派』(1965年)
邪宗門』(1966年)
『我が心は石にあらず』(1967年)
『日本の悪霊』(1968年)
『わが解体』(1969年)
主な受賞歴 文藝賞(1962年)
デビュー作悲の器』(1962年)
配偶者 高橋たか子
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高橋 和巳(たかはし かずみ、1931年8月31日 - 1971年5月3日)は、日本小説家中国文学者。妻は小説家の高橋たか子中国文学者として、中国古典を現代人に語ることに努める傍ら、現代社会の様々な問題について発言し、全共闘世代の間で多くの読者を得た。『悲の器』(1962年)で文壇に登場。主要作品に『憂鬱なる党派』(1965年)、『邪宗門』(1966年)などがある。

経歴

著書

  • 悲の器』(1962年11月、第1回文藝賞河出書房新社、のち新潮文庫
  • 『文学の責任』河出書房新社 1963年 のち講談社文芸文庫
  • 『散華』(1963年河出書房、1967年 のち新潮文庫
  • 『我が心は石にあらず』(「自由」1964年12月 - 1966年6月連載)新潮社 1967年 のち新潮文庫、河出文庫
  • 邪宗門』(「朝日ジャーナル」1965年1月 - 1966年5月連載)河出書房新社 全2巻 1966年 のち新潮文庫、角川文庫講談社文庫朝日文庫
  • 憂鬱なる党派』河出書房新社 1965年 のち新潮文庫
  • 『孤立無援の思想 全エッセイ集』河出書房新社 1966年 のち旺文社文庫
  • 『新しき長城』河出書房 1967年
  • 『捨子物語』河出書房 1968年 のち新潮文庫
  • 『日本の悪霊』(「文藝」1966年1月 - 1968年10月連載)作品集第6、1969年 新潮文庫 1980年
  • 『わが解体』(「文藝」1969年6月 - 10月連載)河出書房新社、1971年 のち河出文庫
  • 黄昏の橋』(「現代の眼」1968年10月 - 未完)筑摩書房 1971年 のち新潮文庫
  • 高橋和巳作品集』全9巻 河出書房新社 1969年-1971年
  • 『孤立の憂愁の中で』筑摩書房 1969年
  • 『堕落』河出書房新社 1969年 のち新潮文庫、講談社文芸文庫
  • 『生涯にわたる阿修羅として 対話集』徳間書店 1970年
  • 『暗黒への出発』徳間書店 1971年
  • 『白く塗りたる墓』筑摩書房 1971年
  • 『人間にとって』新潮社 1971年 のち新潮文庫
  • 『自立の思想』文和書房 1971年
  • 『世界革命戦争への飛翔』(1971年3月 共産主義者同盟赤軍派編、刊行)
  • 高橋和巳全小説』全10巻 河出書房新社 1975年
  • 高橋和巳全集』全20巻 河出書房新社 1977年-1980年
  • 『高橋和巳コレクション』全11冊 河出文庫 1996年-1997年
  • 『高橋和巳・高橋たか子電子全集』小学館(電子書籍・全24巻)、2021-2023
    1. 高橋和巳 小説1『邪宗門』ほか
    2. 高橋たか子 小説1『誘惑者』ほか
    3. 高橋和巳 小説2『悲の器』ほか
    4. 高橋たか子 小説2『人形愛』ほか
    5. 高橋和巳 小説3『憂鬱なる党派』ほか
    6. 高橋たか子 小説3『空の果てまで』ほか
    7. 高橋和巳 小説4『我が心は石にあらず』ほか
    8. 高橋たか子 小説4『怒りの子』ほか
    9. 高橋和巳 小説5『日本の悪霊』ほか
    10. 高橋たか子 小説5『亡命者』ほか
    11. 高橋和巳 小説6『黄昏の橋』ほか
    12. 高橋たか子 小説6『きれいな人』ほか
    13. 高橋和巳 小説7『捨子物語』ほか
    14. 高橋たか子 伝記『神の海』ほか
    15. 高橋和巳 エッセイ・評論1『孤立無援の思想』ほか
    16. 高橋たか子 エッセイ1『魂の犬』ほか
    17. 高橋和巳 エッセイ・評論2『わが解体』ほか
    18. 高橋たか子 エッセイ2『霊的な出発』ほか
    19. 高橋和巳 中国文学1 評論
    20. 高橋たか子 エッセイ3『私の通った路』ほか
    21. 高橋和巳 中国文学2 翻訳ほか
    22. 高橋たか子 対談、その他
    23. 高橋和巳 対話、講演
    24. 高橋たか子 エッセイ4『終りの日々』ほか

共編著

  • 『漢詩鑑賞入門』高木正一・武部利男共著 創元社 1962年
  • 『文学のすすめ 学問のすすめ6』 筑摩書房 1968年
  • 『ふたたび人間を問う』安田武対談 雄渾社 1968年
  • 『変革の思想を問う』小田実真継伸彦共編 筑摩書房 1969年
  • 『明日への葬列 60年代反権力闘争に斃れた10人の遺志』 合同出版 1970年
  • 『季刊 人間として』小田実 開高健 柴田翔 高橋和巳 真継伸彦 (共同編集) 筑摩書房 1970 - 1971

翻訳・注解

対談

  • 『大いなる過渡期の論理―行動する作家の思弁と責任』(対:三島由紀夫
1969年(昭和44年)、雑誌「」11月号に掲載されたもの。三島由紀夫対談集『尚武のこころ』(日本教文社、1970年)に所収。

回想記・伝記

  • 高橋たか子『高橋和巳の思い出』構想社
  • 高橋たか子『高橋和巳という人 二十五年の後に』河出書房新社
  • 川西政明『評伝高橋和巳』講談社文芸文庫(新版) - 著者は河出での担当編集者[6]で『高橋和巳全集 第20巻』(391~454頁)の年譜・書誌を編んでいる。
  • 『文芸読本 高橋和巳』河出書房新社、1980年
  • 『高橋和巳 世界とたたかった文学』河出書房新社、2017年。作家論集

エピソード

  • 森田童子の「孤立無援の唄」に「机の上の高橋和(ママ)はおこった顔してさかさに見える」というくだりがある。
  • 若き日の井波律子は高橋に兄事していた。井波による「高橋和巳と中国文学」「高橋和巳さんのこと」がある。

脚注

  1. ^ 駒田信二『遠景と近景』(勁草書房)P.182
  2. ^ 駒田信二『遠景と近景』(勁草書房)p.182
  3. ^ 月刊基礎知識 from 現代用語の基礎知識”. www.jiyu.co.jp. 自由国民社. 2019年9月29日閲覧。
  4. ^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)183頁
  5. ^ 大塚英良『文学者掃苔録図書館』(原書房、2015年)126頁
  6. ^ 『文芸 高橋和巳追悼特集号』1971年7月臨時増刊がある。

高橋和巳

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三島由紀夫」の記事における「高橋和巳」の解説

小説家中国文学者三島自決時、結腸癌患っていた高橋新聞で「悪しき味方よりも果敢なる敵の死はいっそう悲しい」とコメントし、「もし三島由紀夫氏の霊にして耳あるなら、聞け。高橋和巳が〈醢をくつがえして哭いている〉その声を」と哀悼した。三島自死の意味については、ドストエフスキーの『悪霊』の登場人物キリーロフや、エドガー・アラン・ポーの『ウィリアム・ウィルソン』を想起したと語っている。

※この「高橋和巳」の解説は、「三島由紀夫」の解説の一部です。
「高橋和巳」を含む「三島由紀夫」の記事については、「三島由紀夫」の概要を参照ください。

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