軽油代替ディーゼルエンジン用燃料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 08:55 UTC 版)
「バイオ燃料」の記事における「軽油代替ディーゼルエンジン用燃料」の解説
詳細は「バイオディーゼル」を参照 大型のバス・トラック・建設機械・船舶・軍用車両用の軽油代替燃料である。ガソリン代替燃料が農産物/農林廃棄物のアルコール発酵を利用しているのに対して、バイオディーゼル燃料(BDF/BioDieselFuel)は一般の動植物油脂をそのままメタノール処理または水素化分解して製造する。 第一世代のBDFは植物油をアルコール処理してグリセリンを除去した燃料で欧州では菜種BDFを軽油に5%前後混入して使用するのが進んでおり、2008年現在、菜種油の EU FOB価格は600ドル/tから800ドル/tに高騰した。日本で最近見られる廃食用油ディーゼル燃料も第一世代に属する。第一世代BDFは100%で使用した場合、燃焼力の強い触媒で排ガス処理をしないと粒子状未燃物が出やすいほか、コモンレールディーゼルの高圧噴射との相性の問題もあり、菜種/大豆油の場合は酸化しやすく、パーム油は低温固化しやすく、魚油はスラッジでエンジン焼付きが出易い等の問題がある。 第二世代のBHF(BioHydrocracking Fuel)とは、新日本石油が減圧軽油水素化分解装置を使って動植物油を分解するプロセスを試験して得られた、GTL同等の高品質のディーゼル燃料を指す。燃料中の酸素分が除去されて未燃の問題が、ワックスが分解されて固化の問題が改善するほか、グリセリンが分解されてグリセリンの廃棄問題が解決して、歩留まりも改善する。 但し水素化分解装置は、石油精製残渣油水素化分解装置の転用が利くものの、大規模な設備投資を必要とする。最も安価といわれるナンヨウアブラギリ油を原料にした場合でも2008年現在1バーレル 150ドルの原油価格が60ドルを切ると不採算になるといわれる。なお、船舶用エンジンでは元からA重油など低級な燃料油が使われていた事もあり、漁船用に魚油の生焚きも検討されている。
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