讃美歌の国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 10:59 UTC 版)
「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の記事における「讃美歌の国」の解説
首切り王(ヘッド・ハーベスター) / エバンス・ジルベスター サイド7宙域で威を振るう権力者。その正体は元・連邦軍士官「エバンス・ジルベスター」で、アンクル・キングの警護役だった男。アーノルドとは年は離れているが実の兄弟。 以前は極めて温厚かつ生真面目な性格で、連邦軍人として世界を守り支えていく仕事に誇りを持っていた。連邦政府高官の腐敗を目の当たりにしながらも、篤志家であるアンクル・キングに唯一希望を見出し、暴徒に襲われた彼を(暴徒側がエバンスの真摯な言葉に一切耳を貸さず、横暴に振舞った結果の話とは言え)暴徒の虐殺に及んでまで守りぬくほどの期待を寄せていた。だが、その1件でアンクル・キングが実は民衆の生活を脅かすことも厭わず金儲けのためだけにコロニーレーザー修復を請け負っていたことを知る。これにより、あらゆる人類に心底絶望してそれまでの価値観が反転(これを「裏返る」と称する)、アンクル・キングを殺害し首を切り落とし、その首をケースに入れ皆に見せつけた事で首切り王と呼ばれる暴君となる。 恐怖による独裁を行うが、同時に冷静極まりない思考で動く男。人々が薄々気づいていた宇宙世紀世界の限界を語り、滅亡するその日まで生きることを望む者に略奪を肯定する論旨を与え、「讃美歌(ヒム)の国」としての独立宣言を行う。外部センサーを一切取り付けていないMS・バロックを駆り「覚醒者」であるとうそぶくが、強制的に開かれた能力で人としての感覚が薄れており、自身が感じ取れる「人の死」と「人が裏返る瞬間」を求めている。 サイド1を巡るキュクロープスおよびアッシュとの決戦では、かつては自身が否定した大量破壊兵器であるコロニーレーザーすら使用し、大型MAのメルト・バロックで戦場を暴れ回るも最後は乗機を破壊され、からくも脱出・逃亡する。その際に置き土産として、アッシュたちに奪われたケルベロスを渡すまいと自ら破壊した。だが、実際には逃亡したと見せかけて信奉者の手でキュクロープスの輸送艦内に隠れ潜んでおり、「DUST計画」中のアッシュとフォントの戦闘を見物する。しかし、アッシュがフォントを殺害するという、自らが望んだような結末にはならなかった。 そしてコロニー降下中にアッシュと一対一の決闘になる。アンカーV4の機動性に翻弄された上、アッシュからの扱いの軽さに逆上するも、連接剣を切り裂かれて敗北。大破した機体で尚も抗うが、止めを刺されて死亡し、バラバラになった乗機ごと吹き飛ばされていった。死の直前には、人類の滅亡という自らの主張が否定される現状に対して錯乱、自身の全てをも否定されたことで絶望を味わっていた。
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