英雄
英雄称号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 17:00 UTC 版)
ソビエト連邦をはじめとする旧共産圏には英雄称号という制度があり正確には勲章とはわずかながら異なる。それぞれの非常に卓越した功績を称えるもので国家の称号として個人・組織などに授与される。戦争などで命を失った故人に対しても授与される。 ソビエト連邦の場合は連邦英雄と、社会主義労働英雄の2種が存在する。他の共産圏でもほとんど同じように2種類ほど存在する。勲章でもそうだがこちらはそれ以上に授与されることが少なく、進歩的な科学の発展、命を懸けた軍事行動、国際的な競技大会での優勝など国家や国民に対して全力を尽くした功績のみに対して初めて授与される。授与された者の生活は一般人に比べ圧倒的に優遇され給料や配給の大幅増量、交通機関の無料利用など授与された者本人だけでなく一家が生活するに当たって苦労しないような、さまざまな特典や年金が受けられる。2回以上授与されると故郷の学校に授与された者の名前が付くなど授与された者はまさに英雄として扱われる。称号には付随したメダルがありほとんどの国で似たようなデザインで、赤色の綬の付いたリボンでつり下げる形式の金色の星をかたどったメダルで、レーニン勲章などの高級勲章もほぼ同時に授与される。ソビエト連邦の著名人や歴代書記長のほとんどはこれらの英雄称号を授与されている。 着用する場合、いかなる勲章でもその上に英雄メダルを取り付ける(北朝鮮に限りその上に金日成バッジを付けることが多い)。メダルの形式は勲章型でも略綬は存在せず(東ドイツに限り存在する)平常時でも取り付ける。平常時も着用する場合は略綬の上に取り付けるか、英雄メダル単体を取り付ける。英雄称号を授与された者は国家のプロパガンダによって人々の労働意欲向上のため全国的に大きく取り上げられ宣伝ポスターなどで具体的な功績と本人の肖像画入りで紹介される。ソビエト連邦では第二次世界大戦中のさまざまな軍人・民間人に多数授与されその中には戦争の犠牲となったり軍隊に協力した子供たちもいる。
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