英語帝国主義論への問い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 23:21 UTC 版)
「英語帝国主義」の記事における「英語帝国主義論への問い」の解説
Phillipson (2006: 359) は、以下のような問いを投げかけてくれる。 英語化は、グローバリゼーションとアメリカニゼーションから自立しているように見えるか。それを評価するために世界英語に関する文献をひねって考えてもよい。 流暢な英語使用者に特権を与えることを避ける国際コミュニケーションで不平等を打ち消せる方法があるか。 多言語使用者が成功するのに対して、単一言語使用話者が将来失敗するかもしれないならば、均衡した言語能力を目指すことは、有効で現実的な教育的で社会的な目標であるか。 ヨーロッパで生じている状況が、例えばアメリカ大陸・アフリカ・アジアのような他の文脈で経験されるかどうか考えなさい。 全ての言語がまさにそうであるように、グローバリゼーションが本質的に良くもなく凶悪でもないならば、バランスのよい言語の生態系 を維持するために採用されなければいけない言語政策とは何か。 英語が現在のグローバリゼーションの段階で演ずる役割を表すのための「言語帝国主義」より好い用語が思いつくか。 Ferguson (2006:202–3) は、以下のような問いを投げかけてくれる。 以下の点を熟慮した上で、あなたが特によく知っている国の中で、英語の役割を考慮したい国を特定しなさい。教育制度の中での英語の位置づけ(何年生で、英語は学校のカリキュラムに導入されるか。英語は、初等教育・中等教育・高等教育のいずれのレベルで教授言語になるか。就学人口のどのくらいの割合が英語を勉強しているか。) 公共機関(例えば、行政当局・報道機関・メディア)とビジネスでの英語の位置づけ 一般大衆の英語に対する態度と、新聞・雑誌・放送メディアなどにおける英語にまつわる言説。 上の質問で特定した国を事例にあなたの意見に照らしながら、以下についてコメントしなさい。社会において英語が他の言語に与える影響。英語は、他の言語に対して脅威であるか。例えば、いくらかの他の言語によって放出されるかもしれない一流の機能を占めることによって、英語は他の言語の活力を衰えさせるか。 社会におけて英語が与える不平等の影響。英語がその国の社会的不平等に寄与し、悪化させると思うか。もしそう思うならば、どのようにしてそれが成し遂げられるか。 社会の文化的な営みに与える英語の影響。英語は、地域文化と慣習を弱体化することに寄与するか。あなたはそれをアメリカニゼーションのベクトル[要曖昧さ回避]だと考えるか。 「現在、いかなる国民国家でも、国際語としての英語をその国の言語政策の中で考慮しなければならない (Spolsky 2004: 91)。」それでは、どの程度国民国家のレベルで言語計画・言語政策は英語の拡大を制御、もしくは逆らえるのか。民主主義国家の国立学校で英語教育を止めることが政治的に可能であると思うか。 発展途上国において、英国や米国の政府機関または非政府組織 (NGO) が英語教育を好意で援助する正当な理由が果たしてあるだろうか。もしそのような理由が存在すると感じるならば、それらは何か。そして、もしあるとすれば、そのような援助供給のために、どのような政治判断の基準を設けなければならないか。
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