自主再建断念と公的資金投入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 17:27 UTC 版)
「銚子電気鉄道」の記事における「自主再建断念と公的資金投入」の解説
しかし、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、およびそれに伴う福島第一原子力発電所事故などによる風評被害を受け、観光客激減の煽りを受けた影響などから、車両や設備更新費用が捻出できないと判断。2012年12月に社長が小川文雄から、社外取締役になっていた竹本勝紀に交代した。 竹本によれば、ある一部上場企業の会長を務める銚子出身の資産家が、自分のポケットマネーで一般財団法人を銚子につくり、1億5千万円のお金を用意して、要は銚子電鉄を買い取る動きもあったという。当初、竹本はこの動きに同調する意向であった。しかし、この資金は新たに設立する「新・銚子電鉄」のために使う資金であり、第二会社方式による再生スキームの実施を考えていたことが発覚。これがメインバンクの不興を買ったため、竹本は正攻法での再建を目指すことを決意したと言う。 だが現実は厳しく、2013年2月1日には、銚子電鉄は経営の自主再建を断念することを発表し、施設管理と運行の上下分離を図るなどして経営刷新を進めることを検討していたが、2013年12月30日には当面10年間の車両・設備更新費用7億6000万円のうち国が1/3・千葉県・銚子市がそれぞれ1/6負担、残りを銚子電鉄の自助努力(金融機関からの融資、鉄道事業の運賃改定、食品事業の増収、人件費の削減)するスキームを決定、関係機関が受け入れに合意したことで当面の廃線危機は回避された。この過程で、2013年に銚子電鉄運行維持対策協議会が組織され、鉄道の存廃を議論した結果、銚子にとって必要という結論となった。 2006年のぬれ煎餅購入を求める哀訴以来、厳しい経営状況を逆手にとった自虐的な商品をオンラインショップなどで販売し、ファンや面白がった人々に買ってもらうことで経営を支えている(サングラスを中心とした「お先真っ暗セット」など)。新型コロナウイルスが流行して乗客が激減した2020年には、地元住民が手作りしたマスクを仕入れて即日完売した。 公的助成・補助や、個人による食品購入による応援以外の支援の動きとして、新電力会社のLooopや銚子市などが設立した電力販売会社「銚子電力」が、電気料金の1%分を銚子電鉄へ支払うプランを取り扱っているほか、テルウェル東日本が2021年4月、銚子電鉄を支援する電柱広告「銚電柱」の受け付けを始めた。
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