精製状況による差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 01:11 UTC 版)
「バイオディーゼル」の記事における「精製状況による差異」の解説
精製方法の違いによっても、完成した製品の性状は異なりうる。例えば、精製が不十分でグリセリンが完全に除去しきれておらず、原料油脂(トリグリセリド)が残留している場合、スラッジ(固まり)が発生してピストンリングを固着させたり、フィルターの目詰まりを発生させることがある。またメタノールの除去が不十分な場合、残留メタノールが金属部材の腐食の原因となる。 不飽和結合を有する有機化合物は、飽和有機化合物よりも化学的に不安定であり、酸素存在下で自動酸化を起こしやすい。酸化劣化の進んだ燃料はタンクを腐食させ、また重合物を生成しフィルタ詰まりを引き起こすことから、バイオディーゼル燃料を精製するにあたっては酸化防止剤を添加し、酸化安定性を向上させることが必要となる(なお、通常の軽油であれば酸化劣化は起こらないと考えられている)。 ディーゼル機関へ不完全な生成油が混入することにより、着火温度の差が発生すると、エンジンの不調や破損の原因になる。
※この「精製状況による差異」の解説は、「バイオディーゼル」の解説の一部です。
「精製状況による差異」を含む「バイオディーゼル」の記事については、「バイオディーゼル」の概要を参照ください。
- 精製状況による差異のページへのリンク