精製後の放射能の増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/13 05:35 UTC 版)
精製ウランの放射能は、時間とともに一定の強さにまで増加していく。これは、ウラン鉱石の精製の過程で除去された、ウラン系列、アクチニウム系列に属するウラン以外の核種が、順次壊変によって生成されるためである。ウラン238の場合、娘核種のトリウム234との半減期に、1010オーダの差があるため、永続平衡が成立する。トリウム234と、ウラン238の孫核種、プロトアクチニウムとの間にも同様に永続平衡が成立する。よって、孫核種までの永続平衡によって放射能は単体の3倍となる。永続平衡成立には二番目に半減期が長い核種の10倍程度の時間がかかるため、200日程度で平衡に達する。ウラン238とウラン234の間にも104オーダでの半減期の差があり、永続平衡は成立するが、成立には106年オーダの時間が必要である。よってこれ以降の壊変は、工学上考慮する意味がない。天然ウランのように、ウラン238の寄与分が1/14となるまでには、非常に長い時間が必要である。
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