百詩篇第1巻48番
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「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の記事における「百詩篇第1巻48番」の解説
Vingt ans du règne de la Lune passés, Sept mil ans autre tiendra sa monarchie: Quand le Soleil prendra ses jours lassés, Lors accomplit & mine ma prophetie.月の支配の20年が過ぎた。 7000年、別のものがその体制を保つだろう。 太陽が残された日々を受け取るであろう時に、 私の予言は成就し、終わる。 五島勉がこの「別のもの」こそが人類滅亡を回避させる別の何かだ、という特殊な解釈を(架空の史料による権威付けとともに)展開したため、日本の新宗教の中に自分たちこそが人類を救う「別のもの」だと主張する団体がいくつも現れた。 実証的な立場では、この詩がルーサの『諸時代の状態と変転の書』の史観を下敷きにしたものであることに異論がない。ルーサは、アブラハム・イブン・エズラの説などに基づき、7つの天体(土星、木星、火星、金星、水星、月、太陽)が天地創造以来の時代を順に支配し、各支配期間は354年4か月であるとしていた。この史観では月の3巡目の支配の始まりは天地創造から6732年4ヶ月目となり、これはルーサの想定では西暦1533年に当たるとされた。つまり、ノストラダムスが上の詩を書いた時期(1555年頃)はまさに「月の支配の20年が過ぎた」時期だったのである。2行目以降は、月の支配が7086年8ヶ月目(西暦1887年)まで続いてから太陽の支配に引き継がれ、その支配の終わる時(西暦2242年)に自分の予言も終わる、という意味である。第一序文で自分の予言の範囲を3797年までとしていることと矛盾するが、この点については実証的な立場の論者の間でも明確な統一見解は存在しない。 ルーサの著書から着想を得たとされる詩は、他にも第1巻16番、17番、25番、51番、第6巻2番など、いくつも指摘されている。
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