海外の紀元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 00:19 UTC 版)
日本の神武天皇即位紀元(皇紀)以外にも、西暦と異なる独自の紀元を立てたり、あるいは西暦を採用する以前に使われていたものがある。以下はその例。現在では使われていないものも多い。 イスラム紀元(ヒジュラ太陰暦)-アラブの預言者ムハンマドがメッカからメディナへ聖遷(ヒジュラ)した年(ユリウス暦622年)を「ヒジュラの年」(中国ではアラブの年=阿剌必年と呼ぶ)と定め、これを紀元とする太陰暦で、1年は約355日である。 イラン国定暦(ヒジュラ太陽暦)-春分を元日とする太陽暦であり、ヒジュラの年(ユリウス暦622年)の春分を紀元とする。西暦2021年3月21日=ヒジュラ太陰暦1442年シャアバン月7日をヒジュラ太陽暦1400年ファルヴァルディーン月1日(日曜日)とする。同じイスラム紀元(ヒジュラ紀元)であっても、アラブとイランの間には42~43年の差がある。 インド国定暦(シャカ太陽暦)-本来のシャカ紀元は西暦78年春分を零年(または元年)とする太陰太陽暦であった。これを継承するインド国定暦(シャカ太陽暦)では西暦2021年3月22日をシャカ太陽暦1943年チャイトラ月1日とする。同じ春分を元日とする太陽暦であっても、インドとイランの間には1日の差がある。 ジャワ暦(シャカ太陰暦)-ジャワではヒジュラ太陰暦紀元1043年(西暦1633年)ムハッラム月1日をシャカ太陰暦1555年スラ月1日とし、この年以降のシャカ太陰暦はイスラーム暦(ヒジュラ太陰暦)と同期している。西暦2021年8月10日=ヒジュラ太陰暦1443年ムハッラム月1日をシャカ太陰暦1955年スラ月1日(火曜日)とする。同じシャカ紀元であっても、ジャワとインドの間には12年の差がある。また、ヒジュラ太陰暦では元日(ムハッラム月1日)の曜日が8年周期で繰り返される(金六/ワーウ→前火三/ジムアウワル→日一/アリフ→木五/エハー→後火三/ジムアキル→土七/ザーイ→水四/ダール→月二/バー)が、ジャワ暦のウィンドウではこの各年は元日の曜日のイオニア数字のアラビア語読みで、エトのように呼ばれる。ヒジュラ太陰暦1443年元日は西暦2021年8月10日火曜日なので、この年はジャワ暦のウィンドゥではジムアキル(後火三)の年と呼ばれる。 黄帝紀元(黄紀) - 中国で辛亥革命後に中華民国湖北軍政府が使用した紀元。一ヶ月余りで使用が停止された。伝説上の帝王黄帝の即位年を紀元とする。黄紀4609年=西暦1911年である。 檀君紀元(檀紀) - 大韓民国(韓国)。朝鮮神話による伝説の王檀君王倹の即位を紀元とする。元年=西暦紀元前2333年。1948年9月25日に法的根拠が与えられたが、1961年12月2日に公布された「年号に関する法律」により、1962年1月1日から公文書での使用が廃止された。 主体紀元 - 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)。初代最高指導者・金日成の誕生年(西暦1912年)を紀元とする。 開国紀元 - 李氏朝鮮。李成桂の朝鮮王即位年(西暦1392年)を紀元とする。 民国紀元 - 中華民国(台湾)。中華民国建国の年(西暦1912年)を紀元とする。
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