殉死に対する評価・議論とは? わかりやすく解説

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殉死に対する評価・議論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 19:20 UTC 版)

乃木希典」の記事における「殉死に対する評価・議論」の解説

殉死直後から日本国内新聞多くはこれを肯定的に捉え乃木行為好意的に受け止める空気一般的であった新渡戸稲造は「日本道徳の積極表現」、三宅雪嶺は「権威ある死」と論じ徳冨蘆花京都帝国大学教授西田幾多郎は、乃木自刃感動覚え武士道賛美者でも社会思潮において乃木賛同者でもないことを明言していた評論家内田魯庵も、乃木自刃直感的な感動覚えた述べている。 このような乃木武士道精神評価する見方がある一方で殉死封建制遺習であり、時代遅れ行為であると論ず見方もあった。東京朝日新聞信濃毎日新聞主筆桐生悠々)などが乃木自刃に対して否定的批判的な見解示した。 さらに、時事新報は、学習院院長などの重責顧みず自刃した乃木行為武士道精神適うものではなく感情偏って国家尽くすことを軽視したのである主張し加えて、もし自殺するであれば日露戦争凱旋時にすべきであったとまで述べた白樺派は、生前乃木批判していたが、乃木自刃についても厳しく批判した。特に武者小路実篤は、乃木自刃は「人類的」でなく、「西洋人の本来の生命呼び覚ます可能性」がない行為であり、これを賛美することは「不健全な理性」がなければ不可能であると述べた社会主義者乃木自刃批判した例えば、荒畑寒村は、乃木を「偏狭な頑迷な、旧思想で頭の固まった一介の老武弁に過ぎない」と評した上で乃木行為賛美する主張は「癲狂院患者囈語」(精神病患者たわごとに過ぎない批判した乃木殉死否定的に論じた新聞不買運動脅迫晒された。例え時事新報は、投石脅迫を受け、読者数激減した京都帝国大学教授文学博士である谷本富は、自宅投石を受け、教授辞職せざるを得なくなった谷本は、乃木の「古武士質素純直性格いかにも立派」と殉死それ自体評価していたが、乃木については「衒気であるから余り虫が好かない人」であり、陸軍大将たる器ではない旨述べたことから、否定論者と見なされたのである乃木の死を題材にした文学作品多く発表されている。例えば、櫻井忠温の『将軍乃木』『大乃木』、夏目漱石『こころ』、森鷗外興津弥五右衛門の遺書』『阿部一族』、司馬遼太郎の『殉死』、芥川龍之介の『将軍』、渡辺淳一の『静寂の声』などである。この中で大正時代刊行され芥川の『将軍』は乃木皮肉った作品で、大正デモクラシー潮流推進するものであった

※この「殉死に対する評価・議論」の解説は、「乃木希典」の解説の一部です。
「殉死に対する評価・議論」を含む「乃木希典」の記事については、「乃木希典」の概要を参照ください。

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