樹としての特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/04 07:35 UTC 版)
そもそもイペの名で呼ばれる樹木は以下のように複数種が存在する。分類情報は World Flora Online による。 学名シノニム原産地主な特徴日本語名ブラジルポルトガル語名スペイン語名英語名備考Handroanthus chrysanthus (Jacq.) S.O.GroseTabebuia chrysantha (Jacq.) G.Nicholson ホンジュラス、エルサルバドルから南米北部 葉は5出掌状複葉、花は濃い黄色で枝先につく総状花序または円錐花序 キバナノウゼン、キバナイペー、イエロー・トランペットツリー 〔ベネズエラ〕araguaney yellow trumpet tree ベネズエラの国樹。ウォーカー (2006) がイペ材の得られる樹種として挙げたうちの一種。 Handroanthus chrysotrichus (Mart. ex DC.) MattosTabebuia chrysotricha (Mart. ex DC.) Standl. コロンビアからブラジル 葉は5出掌状複葉、花は濃い黄色で枝先に散形状に8-10個つき、果実は20-35センチメートル コガネノウゼン、キバナイペー ipe-amarelo〈黄色いイペ〉 golden trumpet tree、gold tree Handroanthus guayacan (Seem.) S.O.GroseTabebuia guayacan (Seem.) Hemsl. 中米および南米北部 葉は5出掌状複葉、花は黄色で総状花序 グアヤカン 〔中米、コロンビア〕guayacán;〔エクアドル〕madera negra〈黒い材木〉 ウォーカー (2006) がイペ材の得られる樹種として挙げたうちの一種。 Handroanthus heptaphyllus (Vell.) MattosTabebuia heptaphylla (Vell.) Toledo、Tabebuia ipe (Mart. ex K.Schum.) Standl. ウォーカー (2006) がイペ材の得られる樹種として挙げたうちの一種。 Handroanthus impetiginosus (Mart. ex DC.) MattosTabebuia avellanedae Lorentz ex Griseb. ブラジル、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチン 花は微紅から濃い紅紫色で散形に多数つくか円錐花序 イペー、モモイロイペー、イペーロッシヨ、ピンク・トランペットツリー ipe-rosa、ipê-roxo〈紫イペ〉、ipe 〔パラグアイ、アルゼンチン〕lapacho pink trumpet tree ブラジルの国花。村山 (2013) は本種のみをイペ材(あるいはタベブイア)として紹介。 Handroanthus serratifolius (Vahl) S.O.GroseTabebuia serratifolia (Vahl) G.Nicholson キューバ、プエルトリコ、トリニダード・トバゴ、南米 葉は卵形で先端がぎざぎざした薄い小葉4-5枚からなり、花は黄褐色で散形花序あるいは密生した円錐花序、果実は長さ20センチメートル パウドアルコアマレロ、ワシバ pau d'arco amarelo〈黄色い弓の木〉 〔コロンビア〕guayacán polvillo;〔ベネズエラ〕flor amarillo〈黄色い花〉;〔エクアドル〕madera negra〈黒い木材〉 yellow poui;〔アメリカ合衆国〕bastard lignum vitae〈偽リグナムバイタ〉 ウォーカー (2006) がイペ材の得られる樹種として挙げたうちの一種。河村・西川 (2014) は本種をイペ(あるいはラパチョ)材が得られる樹種の例として挙げている。 Handroanthus umbellatus (Sond.) MattosTabebuia umbellata (Sond.) Sandwith(タベブイア・ウンベラタ) ブラジル 葉は3または5出の掌状複葉、花は黄色く短い散形花序で多数つき、果実は長さ40センチメートル ipe-amarelo〈黄色いイペ〉 Tabebuia heterophylla (DC.) BrittonTabebuia pentaphylla Hemsl.(ゴヨウノウゼン)、T. riparia (Raf.) Sandwith ジャマイカ含む西インド諸島からベネズエラ、ブラジル 花は淡い桃色または桃色で大輪に咲く カワリバノウゼン ipe-roxo〈紫イペ〉 white(-)wood 坂﨑 (1998) は T. heterophylla を T. pentaphylla ではなくモモイロノウゼン(T. pallida)と同種とする説があると述べている。またブリッケル (2003) は T. pentaphylla をキダチベニノウゼン(T. rosea; 別名: ピンクテコマ)の園芸名としている。 キバナノウゼン(学名: Handroanthus chrysanthus)は樹高30メートル、パウドアルコアマレロ(学名: Handroanthus serratifolius)やイペーロッシヨ(ポルトガル語: ipê-roxo〈紫イペ〉; 学名: Handroanthus impetiginosus)は樹高45メートルにまでなる場合がある。イペーロッシヨにはラバコールと呼ばれる成分が含まれており、防腐効果や防虫効果を発揮するとされている。南米の原住民は、紫イペの樹皮の内側の層を削って煎じてラパチョと呼ばれる民間煎じ飲料として使用する。解熱・消炎・妊娠中絶・健胃効果があるとされる。
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