標準化の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 09:43 UTC 版)
「ヘルメット (自転車)」の記事における「標準化の歴史」の解説
米国の スネル (Snell) 記念財団 という団体がオートバイと自動車競技用ヘルメットの標準規格を作成するために設立され、初期の標準規格の一つとして提供された。 アメリカ規格協会 (ANSI) は ANSI Z80.4 と呼ばれる規格を 1984 年に作成した。後に、米国消費者製品安全委員会 (CPSC) は米国で販売される全ての自転車用ヘルメット用標準規格の指令を作成し、1999年3月に発効した。 欧州連合 (EU) で有効な現行標準規格は、EN 1078:1997 である。 イギリスの現行標準規格は、BS EN 1078:1997 で EU 標準規格と同等のもので、BS 6863:1989 を 1997年に置き換えたものである。 オーストラリアとニュージーランドの現行標準規格は、AS/NZS 2063:1996 である。この要求性能は、Snell B95 に比べてやや甘めだが、品質保証要求基準と組み合わされる。その結果、AS/NZS 規格は考えられているより安全だといえる。 標準規格 CPSC と EN1078 は Snell B95 (または B90) に劣る。スネルのヘルメット標準規格は、第三者が検証可能なように、各ヘルメットに追跡可能な一意のシリアルナンバーがついている。EN 1078 も外部認証されているが、スネルのような追跡ができないようになっている。米国で最も一般的な標準規格は CPSC で、製造業者の自主証明に頼っている。一般的な事実として、スネル規格はほかの標準規格より厳密であり、販売中のほとんどのヘルメットは要求を満たしていない (Bell ブランドの現行ヘルメットはスネル認証されておらず、Specialized 社製ヘルメットのいくつかがスネル記念財団の Web サイトにある認証ヘルメットの一覧に記載されている)。 1990年、英国消費者協会の市場調査が、販売中の 90% 前後のヘルメットが Snell B90 認定であることを示した。1998年度の調査では、スネル認証ヘルメット数はほぼゼロであることが示された。この期間に、硬質外殻は一般的な自転車利用者の間での人気を急速に失っており、1990年代末にはほぼ消滅していた。しかし現在でも、BMX ライダーやローラースケート、スケートボード愛好者の間では高い人気を保っている。 ヘルメットの標準規格が次第に無力化しているにもかかわらず、この傾向が、軽症の緩和に対する設計目標にどの程度跳ね返ってきたかを評価できる統計は存在しない。軽症では実質的に記録に乗らないし、統計的に意味のある規模での推測は不可能でないとしても事実上は難しい。 ヘルメットの衝撃エネルギー吸収能力は、発泡ポリスチレンの厚みを増すことで高めることができるが、これにより厚くて重くなり、装着するには暑くなる。今の流行は、たくさんの大きな通気口の開いた、より薄いヘルメットに向かっている。より容易な標準規格を採用する傾向がいくつかの研究で指摘されている。検査に合格しないヘルメットというのは比較的よくあることで、販売中のいくつかのヘルメットは全ての標準規格にまったく不適格である。 最も広範に引用される親ヘルメット派の研究はほとんどのヘルメットが硬質外殻構造だった時のものであるが、現在は BMX などのニッチ以外ではお目にかかることはできない。
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