業績回復と設備の改善
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 19:38 UTC 版)
「上田電鉄別所線」の記事における「業績回復と設備の改善」の解説
廃止は免れたものの1970年代中盤に一時期回復した利用客は再び低迷し始め、1980年代に入るとそれは顕著になり、運行本数の再編や保有車両の整理などを行うも、計上する赤字額は増え続けた。そのため、国の欠損補助金支給基準を満たすことが困難な状況が続いていた。 そのような中で1986年には架線電圧を1500Vに昇圧し、東京急行電鉄(現在の東急電鉄)から経年の比較的浅い余剰車両を譲り受け、「丸窓電車」などの修理部品が不足していた旧型車を全廃して車両保守にかかるコストを削減。さらに上田市の支援による駅施設等設備の改善を行ない、1980年代末から1990年代には乗客は再び増加に転じた。 1992年末の国の地方私鉄に対する軌道整備補助事業見直しにより、欠損補助金支給は打ち切りとなったものの、打ち切り後の1993年には元東急7200系電車を東京急行電鉄から購入し全営業車両の冷房化を果たした。北陸新幹線の先行開業も控えておりさらなる収支改善の可能性が見込まれたことから、増便や1910年代製造の古いレールを使用していた架線柱をコンクリート製の安定したものに取り換えるなどの設備投資を行いサービス向上に努め、1990年代半ばには1973年の廃止の方針の提示以前の利用客数に回復。欠損補助金支給が必要とされる状況を脱し、補助金打ち切りの影響を最小限に食い止めた。 1997年の北陸新幹線長野開業(長野新幹線)に伴う上田駅再整備の一環として、翌1998年には起点の上田駅ホームの高架化や、しなの鉄道(元JR東日本信越本線)との共用改札を廃止して独立した改札口を設けるなど設備も進展した。これと前後し、全て電車のワンマン運転も開始している。
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