業績悪化と石油ショック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/09 10:08 UTC 版)
「ブルマァク」の記事における「業績悪化と石油ショック」の解説
こうした人気シリーズの版権を抱えていた反面、無版権の類似商品の大量流出の影響で、怪獣玩具全体の売れ行きが目減りした。これはソフトビニール人形の金型が比較的安価に出来てしまうことからの弊害でもある。 また、『ミラーマン』では番組の人気が途中から低迷したため過剰に在庫を抱え、のちの倒産の種となったという。『ミラーマン』関連商品の過剰追加生産に反比例する売り上げ降下などもあり、業績は次第に頭打ちとなっていった。これは、生産が手作業に頼らざるを得ないために、番組人気の動向と生産管理がうまく合わないというジレンマを抱えた業種であることも一因とされている。 業績回復のために『トリプルファイター』の単独スポンサーとなるが、この作品は週5回放送で1回10分のため制作費が30分番組よりもかさみ、業績はさらに悪化した。 1973年(昭和48年)、ポピーが販売開始した「超合金」が大ヒット。ブルマァクでは『帰ってきたウルトラマン』時に「マットアロー」などの劇中メカの「ダイキャスト」玩具は発売しており、このポピー社の「超合金」に対抗して、自社オリジナルの合金玩具シリーズ「Z合金ジンクロン」を商標化。合金玩具分野を本格化した。 一方、この年末から起こった世界的な第一次石油ショックが、諸物価の高騰、石油製品である主力玩具資材の不足・高騰を招き、経営をさらに圧迫することとなった。諸物価の高騰はテレビ番組の製作本数も減少させ、「変身・怪獣ブーム」自体も縮小の方向へ向かわせることとなった。 1974年(昭和49年)、『ゴジラ対メカゴジラ』(東宝)のロボット怪獣「メカゴジラ」の玩具商品が大ヒット。「Z合金ジンクロン」シリーズでも、メカニックだけでなく、「ゴジラ」や「ガイガン」、「キングギドラ」など東宝の怪獣キャラクターも題材に選ばれた。合金玩具の売れ行きは各社とも良かったが、亜鉛合金を用いるダイキャスト生産は多額の設備投資を必要としたため、経営悪化の状態は変わらなかった。
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