核外輸送とは? わかりやすく解説

核輸送

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 18:12 UTC 版)

核輸送(かくゆそう、: nuclear transport)は、細胞質細胞核の間の物質輸送である。低分子は調節を受けることなく核へ自由に出入りすることができるが[1]RNAタンパク質のような巨大分子の輸送は核膜孔複合体によって緊密に制御されており、カリオフェリンのような輸送因子との結合が必要である。核内への輸送に用いられるカリオフェリンはインポーチン、核外への輸送に用いられるものはエクスポーチンと呼ばれる[2][3]


  1. ^ a b Watson, JD; Baker TA; Bell SP; Gann A; Levine M; Losick R. (2004). “Ch9-10”. Molecular Biology of the Gene (5th ed.). Peason Benjamin Cummings; CSHL Press.. ISBN 978-0-8053-9603-4 
  2. ^ Mackmull, MT; Klaus, B; Heinze, I; Chokkalingam, M; Beyer, A; Russell, RB; Ori, A; Beck, M (18 December 2017). “Landscape of nuclear transport receptor cargo specificity.”. Molecular Systems Biology 13 (12): 962. doi:10.15252/msb.20177608. PMC: 5740495. PMID 29254951. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5740495/. 
  3. ^ Alberts, Bruce (2004). Essential cell biology (2nd ed.). Garland Science Pub. pp. 504–506. ISBN 978-0815334811 
  4. ^ a b Bruce Alberts, ed (2002). Molecular Biology of the Cell (4th ed.). Garland Science 
  5. ^ Molecular Cell Biology (5th ed.). New York: WH Freeman. (2004). ISBN 978-0-7167-2672-2 
  6. ^ Izaurralde, E; Adam, S (1998). “Transport of macromolecules between the nucleus and the cytoplasm”. RNA 4 (4): 351–64. PMC: 1369623. PMID 9630243. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1369623/. 
  7. ^ Pemberton, Lucy F.; Bryce M. Paschal (2005). “Mechanisms of Receptor-Mediated Nuclear Import and Nuclear Export”. Traffic (Blackwell Munksgaard) 6 (3): 187–198. doi:10.1111/j.1600-0854.2005.00270.x. PMID 15702987. 
  8. ^ Cole, CN; Scarcelli, JJ (2006). “Transport of messenger RNA from the nucleus to the cytoplasm”. Curr Opin Cell Biol 18 (3): 299–306. doi:10.1016/j.ceb.2006.04.006. PMID 16682182. 
  9. ^ Görlich, Dirk; Ulrike Kutay (1999). “Transport between the cell nucleus and the cytoplasm”. Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 15: 607–660. doi:10.1146/annurev.cellbio.15.1.607. 
  10. ^ Gammal, Roseann; Baker, Krista; Heilman, Destin (2011). “Heterokaryon Technique for Analysis of Cell Type-specific Localization”. Journal of Visualized Experiments (49): 2488. doi:10.3791/2488. ISSN 1940-087X. PMC: 3197295. PMID 21445034. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3197295/. 


「核輸送」の続きの解説一覧

核外輸送

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:51 UTC 版)

核膜孔」の記事における「核外輸送」の解説

リボソームサブユニットmRNAなどの一部分子高分子複合体は、から細胞質輸送される必要がある。核外輸送は核内輸送似たメカニズム行われる典型的な核外輸送スキームでは、核外搬出シグナル (nuclear export signal/sequence, NES) を持つタンパク質は、内でエクスポーチン (CRM1(英語版)など)、Ran-GTPとヘテロ三量体複合体形成するその後複合体細胞質拡散しGTP加水分解されNESタンパク質遊離する。CRM1-RanGDPは拡散によって内へ戻り、そこでRanGEFによってGDPGTP交換される。この過程も1分子GTP消費するためエネルギー依存的である。エクスポーチンCRM1による核外輸送は、レプトマイシン(英語版)Bによって阻害される。

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核外輸送

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核輸送」の記事における「核外輸送」の解説

核外輸送は大まかに言えば核内輸送の逆の過程である。内でエクスポーチン積み荷タンパク質とRan-GTPと結合し核膜孔通って細胞質拡散し細胞質複合体解離する。Ran-GTPはGAP結合してGTP加水分解し、Ran-GDP複合体送り返されGDPGTP置き換えられる。したがってインポーチン積み荷の解離をRan-GTPに依存しエクスポーチン積み荷の結合のためにRan-GTPを必要とする。 転写後修飾完了した後の成熟mRNA細胞質への輸送特別なmRNA核外輸送タンパク質によって行われる。この過程活性Ran依存するが、その機構はあまり解明されていない。特に転写多く行われる一部遺伝子核膜孔物理的近傍位置しており、転移過程促進されている。 tRNAの核外輸送もtRNAが受けるさまざまな修飾依存しており、それによって適切に機能しないtRNAの核外輸送が防がれている。tRNA新生ペプチド鎖へのアミノ酸付加という翻訳における中心的役割を果たすため、この品質管理機構は重要である。脊椎動物におけるtRNAの核外輸送因子エクスポーチン-t(英語版)と呼ばれている。エクスポーチン-tは内でtRNA直接結合し、この過程はRan-GTPの存在下で促進されるtRNA構造影響与え変異によってエクスポーチン-tへの結合阻害され、従ってこの段階も細胞にとって別の品質管理段階となっている。上述したもの同様に、いったん複合体核膜越えると、tRNA積み荷解離し細胞質放出される

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