RNAの核外輸送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:51 UTC 版)
「遺伝子ゲート(英語版)」も参照 RNAの核外輸送には、RNAの種類ごとにさまざまな経路が存在する。RNAの核外輸送は、輸送に関与するRNA結合タンパク質に存在するNESのシグナルによって媒介される (ただしアダプタータンパク質を持たないtRNAは除く)。mRNA以外の細胞のRNA (tRNA、rRNA、U snRNA、miRNA) やウイルスRNAの輸送はRanGTPに依存する。mRNAの核外輸送には、保存されたmRNA核外輸送因子が必要である。核外輸送因子はMex67/Tap (大サブユニット) とMtr2/p15(英語版) (小サブユニット) である。高等生物では、mRNAの核外輸送はスプライシング依存的であると考えられており、TREXと呼ばれるタンパク質複合体がスプライシングを受けたmRNAへリクルートされる。RNA結合能が非常に弱いTAPに対するアダプターとしてTREXは機能する。ヒストンのような特別なmRNAには、スプライシングに依存しない代替的なmRNA核外輸送経路が存在する。近年の研究結果から、分泌タンパク質やミトコンドリアのタンパク質をコードする遺伝子の転写産物に関しては、スプライシング依存的な核外輸送経路と代替的な経路との連携が行われていることが示唆されている。
※この「RNAの核外輸送」の解説は、「核膜孔」の解説の一部です。
「RNAの核外輸送」を含む「核膜孔」の記事については、「核膜孔」の概要を参照ください。
- RNAの核外輸送のページへのリンク