朝鮮半島と天皇の呼称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:28 UTC 版)
「日朝関係史」、「皇帝」、および「日本国王」も参照 朝鮮半島の歴代王朝は長期間にわたり中国歴代王朝の冊封国として存在しており、華夷思想では「天子」・「皇帝」とは世界を治める唯一の者、すなわち中国歴代王朝の皇帝の称号であった。そのため、「倭国王」「日本国王」等の称号で呼んでいた。清の冊封体制から離脱し大韓帝国となると初めて日本の天皇を「皇帝」と称した。その後の韓国併合による大日本帝国統治下では「天皇」の称号が用いられた。第二次世界大戦後、南北朝鮮独立後は英語で天皇を意味する「Emperor」の訳語を踏襲せず、「日本国王」(日王)「Japanese King」という称号を用いてこれに倣い「皇室」を「王室」、「皇太子」を「王世子」と呼んでいた。現在では「天皇」と言う称号が以前より一般的になりつつあるが、「皇室/王室」、「皇太子/王世子」に関しては同等に用いている。但し産経新聞ソウル支局長黒田勝弘に拠れば、2006年9月の悠仁親王誕生時、韓国日報を例外に殆どの韓国マスコミは「天皇」等の「皇」の字を嫌い、代わりに「王」の字を格下げの意味で用いたという。 金大中は大統領在任当時、諸国の慣例に従って「天皇」という称号を用いる様にマスコミ等に働きかけたが、マスコミはそれに従う者と従わない者に二分した。大韓民国政府としては1998年から「天皇」の称号を使用するようになったが、次の大統領盧武鉉は天皇という称号が世界的かどうか確認していないため「天皇」と「日王」どちらを用いるべきか準備ができていないと従来の方針を転換する姿勢を示した。大統領李明博は「天皇」の称号を用いている。しかし、マスメディアを始めとする民間では「日王」を使用している。民間における「日王」の呼称の使用については21世紀初頭頃に「天皇」や「日皇」に改めるべきであるとの議論もなされたが、「日王」に統一することとなり現在に至っている。李明博は2009年9月15日にインタビューを受けた際、「日本天皇」という表現を繰り返し用いた。 韓国人ジャーナリスト崔碩栄によると、韓国では80年代後半まで新聞などで天皇表記が確認でき、「日王」表記が始まったのは、韓国が民主化した1987年以降で90年代に入ると天皇の表記は姿を消したと指摘している。
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