書店ガール5 ラノベとブンガク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 16:14 UTC 版)
「書店ガール」の記事における「書店ガール5 ラノベとブンガク」の解説
宮崎彩加は茨城県取手市の取手駅構内の駅中書店「本の森」の店長となり半年経過。しかし売り上げは悪く、昼間はワンマンオペレーションで気を休める暇はない。そのため昼間のシフトに入れるアルバイトスタッフを募集、消去法で面接時に自らニートであると認めた田中幹を採用する。ある日ライトノベルを探す高校生の客と接して、品物を取り寄せることとなり、品物を融通してもらうため柏市の系列店に行く。柏店の品揃えはラノベなどに力を注いでいて店長の戸塚に「客層にあった品揃え」について意見される。別の常連客からは文芸の品揃えの偏りを指摘され思い悩むが、親戚の法事で沼津から茨城に来ていた太田英司のアドバイスにより、地域に根ざした品揃えに徳化することを決め、彩加のこだわりだった文芸棚を、ラノベはおろかボーイズラブなどのライトな読み物を置くことにしたため、アルバイトスタッフからも驚かれる。 小幡伸光はコミックで有名な出版社共学館の新興ライトノベルレーベル「疾風文庫」の編集長となり、レーベルのPRと新人作家発掘のための新人賞を企画。大賞と佳作の候補も決まり発表の日をまつばかりという所にいたが、佳作受賞者が別の大手レーベルの新人賞に別名義で応募していた作品がより良い賞を受賞したため疾風文庫の賞は辞退したいと言い出し留意に奔走することとなる。さらに伸光の部下の松江和幸が、担当作家にことわりを入れず校正を加えたゲラがそのまま出版物になり、作家から激怒されるだけに止まらず、ネット上でも「原稿書き直し事件」と揶揄され炎上騒ぎとなり、あげくのはてに一部の作家からも疑心の目で見られるようになるなどの事態を引き起こし、疾風文庫は存亡の危機に立たされることとなる。 伸光は、新人賞の大賞作家原滉一の担当となり彼の住む取手に通うようになる。ある日駅の書店に疾風文庫の新刊があることに気づき、事情を聞こうとして彩加に話しかけ、亜紀という共通の知り合いがいることを知り「取手出身の新人作家」の売り出しで協力しようということで話がまとまり、後日、彩加と伸光と原が顔を合わせることになったが、その場面で原滉一が田中幹とバレる。しかし下積み時代に生計が立つまで本に携わる仕事として書店で働くことは珍しいことではないとし、良い宣伝材料になると考えるのであった。彩加も常磐線沿線の系列店と協力し田中の作品を売り出そうと動き始める。東京に戻った伸光は、亜紀の後輩にあたる新興堂書店吉祥寺店ラノベ担当でラノベの売り上げに少なからず影響を与えると言われる書店員近藤和馬を尋ねる。近藤は書店員に宣伝をやらせようとする出版社のやりかたに素直に苦言を訂するが、「作品に罪はない」として田中の作品のゲラを受け取る。 そして、田中(原滉一)のデビュー作『鋼と銀の雨がふる』が発売されると、新人では異例の反応が読書メーターなどのネット上で散見されるようになる。背景には伸光たち、彩加たちによる売り出しのさまざまな企画の他、田中の家族の動きや、取手のバイト仲間のバックアップもあったと言われ、さらに新興堂の近藤の動きがあったからこその新人では異例のヒットにつながったのであった。出版を記念したパーティーが開かれ最後まで残っていた田中の父の間にあった溝を埋める。
※この「書店ガール5 ラノベとブンガク」の解説は、「書店ガール」の解説の一部です。
「書店ガール5 ラノベとブンガク」を含む「書店ガール」の記事については、「書店ガール」の概要を参照ください。
- 書店ガール5 ラノベとブンガクのページへのリンク