日本語訳小史とは? わかりやすく解説

日本語訳小史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 19:12 UTC 版)

赤毛のレドメイン家」の記事における「日本語訳小史」の解説

1922年発表作品だけに、第二次世界大戦前から井上良夫翻訳によって紹介されていた。この井上訳は終戦後1950年雄鶏社の「雄鶏みすてりーず」で『赤毛のレドメイン』として再刊されており、縮訳版ながら歴史的なのである井上はフィルポッツ作品では他に『闇からの声』も翻訳している。 最初完訳となったのは、1956年6月新潮社探偵小説文庫」の1冊として刊行された『赤毛のレドメイン家』で、翻訳橋本福夫橋本同書解説でやや控え目に最初完訳版だと述べている)。橋本版は58年9月新潮文庫編入され長く親しまれたが、現在は品切。橋本は後に『闇からの声』や『灰色部屋』『溺死人』(すべて創元推理文庫)も翻訳日本でのフィルポッツ紹介に功があった。 橋本版の刊行以後60年代にかけて多く叢書からの翻訳相次いで刊行される。まず橋本版の初出直後1956年9月東京創元社世界推理小説全集」で大岡昇平訳による『赤毛のレッドメーン』刊行1959年、同叢書普及文庫版として創刊され創元推理文庫にも同年6月に『赤毛のレッドメーンズ』として加わった1961年3月には中央公論社世界推理名作全集」に『赤毛のレドメイン家』として収められる翻訳宇野利泰(彼は翻訳家生活初期にフィルポッツ作品医者自分を癒せ』を訳した経験を持つ)。宇野版は1962年9月、同叢書普及版世界推理小説名作選」にも加わる。更に1970年10月には創元推理文庫新版として編入されることになり、それまで同文庫で親しまれ大岡版『赤毛のレッドメーンズ』は宇野版と入れ替わる形で絶版となったその後宇野版・創元推理文庫新版50年近くわたって版を重ねていた。 一方1962年東都書房で「世界推理小説大系」が刊行されており、同叢書にも荒正人訳で『赤毛のレドメイン一家』として収められている。同じ巻にはやはり荒の訳で『闇からの声』も収録された。1977年10月、荒版は『赤毛のレドメイン家』に改題して講談社文庫収められたが、現在は品切(荒版『闇からの声』も翌1978年同文庫に収められたが、こちらも現在品切)。角川文庫でも、1963年5月に『赤毛のレッドメーン家』として赤冬子の訳で刊行された(現在品切)。さらに1999年集英社文庫で「乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーシリーズ刊行始まり本作も実に36年ぶりに安藤由紀子による新訳刊行された(現在品切れ)。そして2019年11月創元推理文庫から武藤崇恵による宇野版からほぼ半世紀ぶりの新訳版刊行され、現在新刊唯一入手可能なヴァージョンとなっている。

※この「日本語訳小史」の解説は、「赤毛のレドメイン家」の解説の一部です。
「日本語訳小史」を含む「赤毛のレドメイン家」の記事については、「赤毛のレドメイン家」の概要を参照ください。

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