施行を所掌する法律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 21:02 UTC 版)
「労働基準監督官」の記事における「施行を所掌する法律」の解説
労働基準監督官が、その規定に違反する罪について司法警察員の職務を行うことを定めた法律は以下の通りである(カッコ内は司法警察員の根拠条項)。これらの法律には労働基準監督官に行政処分又は行政調査の権限も与えている。 労働基準法(第102条) 「労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う」とされる。司法警察職員等指定応急措置法(昭和二十三年十二月九日法律第二百三十四号)第2条により「司法警察官」とあるのは「司法警察員」と読み替えることとされ、刑事訴訟法の用語と一致させている。 労働安全衛生法(第92条) じん肺法(第43条) 家内労働法(第31条) 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(第14条) 作業環境測定法(第40条) 最低賃金法(第33条) 賃金の支払の確保等に関する法律(第11条) 労働基準監督官採用試験により採用された職員は、基本的に「労働基準監督官」の官名を与えられるが、労働基準行政(厚生労働省労働基準局、都道府県労働局労働基準部、労働基準監督署の総称)に属する事務官、技官と同様の職務を行う官職に任用される場合もある。労働基準行政は、「事務官」「技官」「監督官」の「三官制度」を採ってきたが、近年は事務官・技官を減らし、オールラウンドプレーヤーである監督官の仕事量は増える傾向にある。よって上記以外の労働基準行政が所掌する法律である、労働者災害補償保険法、労働金庫法、中小企業退職金共済法、労働災害防止団体法、社会保険労務士法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律、失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律、勤労者財産形成促進法、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法、石綿による健康被害の救済に関する法律、過労死等防止対策推進法、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法も労働基準監督官が施行に携わる場合のある法律である。 また、労働法制は改正が続いていて労働問題は複雑化していて、現実的な解として労働行政は最低労働条件だけでなくメンタルヘルス等、ソフトウェアの領域に踏み込んで労働者を保護していく方向にシフトしていかざるを得ない状況となっている。現場の監督官としては、労働環境の改善につなげるためには、雇用対策法、職業安定法、労働者派遣法、障害者雇用促進法、高年齢者雇用安定法、男女雇用機会均等法、パートタイム労働法、育児介護休業法、労働契約法といった、所管以外の法律についても解釈・参照が必要となっている。
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