放射線防護策の選定と実施
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 04:57 UTC 版)
人工的に発生させた放射線(人工放射線)は人間の諸活動に伴って発生する放射線であり、全ての被曝が放射線防護の対象となる。そこで、放射線被曝を伴う行為を導入・実施などする際は、放射線防護の目標達成のため放射線防護体系(system of radiological protection)の三原則を遵守する必要がある。 放射線防護体系の三原則 行為の正当化(justification of practice)「いかなる行為も,その導入が正味でプラスの利益を生むものでなければ採用してはならない」 防護の最適化(optimization of protection)「すべての被曝は,経済的及び社会的な要因を考慮に入れながら合理的に達成できる限り,低く保たなければならない」 線量限度(dose limitation)「医療被曝を除く,すべての計画被曝状況では個人の被曝は線量限度を超えてはならない」 さらに、モニタリング(monitoring)により、放射線源、環境および個人の管理が厳重に行われていることを確認しなければならない。 なお、人工放射線の対として、地球誕生以来生活環境に存在している放射性同位元素からの大地放射線と宇宙からの放射線である宇宙放射線を合わせて自然放射線と呼ぶ。自然放射線による被曝により、人々は実効線量で世界平均合計年間2,400 μSv(=2.4 mSv)前後の被曝を受けているとされるが、自然放射線による被曝は人為的にコントロールすることができないために放射線防護の対象から外されている(規制除外)。
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