按察使の組織とは? わかりやすく解説

按察使の組織

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 06:06 UTC 版)

按察使 (中国)」の記事における「按察使の組織」の解説

正式名見える「按察使司」は役所名であり、按察使はその長官である。基本的に各省一人ずつ配される。ただ例外的に新疆省台湾省のみは、新疆鎮迪道・台湾道という地方官がその地の按察使それぞれ兼務し単独では配置しなかった。 そして按察使補佐として配下経歴知事・照磨・司獄という官が置かれた。ただし補佐として置かれる官は各省ごとに異同があって一様ではない。たとえば照磨は安徽省福建省など7省で置かれているに過ぎない。彼らには以下のように具体的な職務があり、その役所按察使司の付近に置かれている。あるいはその中に有る場合もある。 経歴 - 正式名経歴経歴官位は正七品。以下の知事・照磨・司獄のまとめ役。また主に公文書出納司る知事 - 正八品。刑罰実地調査する。 照磨 - 正式名、照磨所照磨。正九品事件調書調べ相互に照らし合わせる。 司獄 - 正式名、司獄司司獄。従九品按察使司の監獄における囚人拘留管理また上記の官僚たち仕え胥吏・衙役と呼ばれる人々がおり、雑務こなした前者事務的な処理を行い後者肉体労働的な処理(逮捕看守等)を行った。これも省の規模などにより、人数は様々であったこの他按察使本人個人的に雇用する幕友呼ばれる私的ブレーンがいた。いわば政策秘書であるが、その存在意義地方行政にあって無視できないものがある。上奏文の起草や詳しい法律知識など秘書役割幕友担っていた。司法関連雇用され幕友を特に「刑名幕友」といい、財政関連幕友は「銭穀幕友」という。なおこの幕友には浙江省、特に紹興出身者紹興師爺)が多かったことで有名である。幕友のような専門的知識有する者が必要とされたのは、按察使といえど大清律令』や『大清会典』について隅々まで熟知していなかったためであり、さらに言えば官僚となるための試験科挙には法律知識を問うような実務的内容一切含まれていなかったことも、幕友を必要とした理由である。官僚司法的専門知識に関する問題は、清末の官制改革でも焦点となる。 さらに中国官僚には、出身地との癒着が無いように地元以外の所に赴任する本籍廻避の制というルールがある。そのため任地についての情報疎くなりがちなため、情報収集地元有力者との折衝を担う人材が必要であった。また前述胥吏・衙役は民衆からの手数料を生活の資としたためややもすれば利己的行動走りやすく、それを制御する者も必要であった

※この「按察使の組織」の解説は、「按察使 (中国)」の解説の一部です。
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