払渡し又は引渡し前の差押えを要する代位物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 10:26 UTC 版)
「物上代位」の記事における「払渡し又は引渡し前の差押えを要する代位物」の解説
民法304条(準用される場合を含む。以下同じ。)など、通常は「払渡し又は引渡し」の前に「差押え」をすることを要する。これによって初めて具体的に担保権の効力が及ぶこととなる。 (売却による)売却代金(民法第304条第1項)) 抵当権の場合も文言上は含まれており(特に、建設機械抵当権、航空機抵当権、自動車抵当権については明らかである。)、判例も肯定する。これに対して、抵当権には追及効がある(目的物が譲渡されても先に対抗要件を具備した抵当権は害されない。)ことを理由に反対する説もある。 (賃貸による)賃料(民法第304条第1項) 通説・判例は肯定する。抵当権に基づく不動産賃料に対する物上代位は、実務的には物上代位の中でもよく用いられるものであるが、担保不動産収益執行と競合する関係にある。 (滅失又は損傷による)損害保険金(民法第304条第1項) 通説・判例は肯定するが、否定説も存在する。実務上は、建物について抵当権を設定すると同時に火災保険請求権にも質権を設定する例も多い。 (滅失又は損傷による)損害賠償金(民法第304条第1項) (地上権設定による)地代(民法第304条第2項) 特許権等の対価及びライセンス料(特許法第96条、実用新案法第25条第2項、意匠法第35条第2項、商標法第34条第2項) 土地収用法に基づく収用又は使用に因って債務者が受けるべき補償金等又は替地(同法第104条) 仮登記担保契約に関する法律に基づく清算金(同法第104条) 公共用地の取得に関する特別措置法第33条第1項に基づく清算金(同法第35条)(ただし、「払渡し又は引渡し」前ではなく「払渡し」前。)
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