三省堂 大辞林 |
ていとう-けん ―たう― 3 【抵当権】
法律関連用語集 |
抵当権(ていとうけん)
債権者が、債務者または第三者(物上保証人)から提供された物を、提供者に使用収益させたままで担保にとり、債務者が債務を弁済しないときにその物を競売するなどして優先的に弁済を受ける担保物権。当事者の合意によって成立する。
» 法テラス・法律関連用語集はこちら
建築用語大辞典 |
抵当権
【用 語】抵当権【よみがな】ていとうけん
【意 味】
お金を貸した側が、貸したお金の担保に出された物件を、返済が不能になった際に自分が確保できる権利のことをいう。
※建築CAD「ARCHITREND Z」で利用できる、メーカー建材データダウンロードサイトはこちら
>>「Virtual House.NET」
土地区画整理事業用語集 |
不動産関連用語 |
抵当権
改正前の民法では、抵当権の効力は、原則として抵当不動産の果実に及ばず、例外として抵当不動産の差し押さえ後にのみ及ぶとされていた。しかも、この果実は、天然果実のみをさし、法定果実(例:家賃収入)を含まないと解されてきた。
改正により、抵当権の効力は、抵当権で担保されている債権について債務不履行があったときは、その不履行後に生じた果実(法定果実を含む)に及ぶこととなった。これにより、債務不履行があった場合、抵当不動産の占有を設定者から裁判所が選任した管理人に移し、抵当不動産の収益(例:賃貸料)から抵当権者が弁済を受けることが可能になった(担保不動産収益執行制度)。
(2)抵当権消滅請求
改正前は、抵当不動産の第三取得者が、抵当権者に一定の金銭を提供して、抵当権を消滅させる滌除(てきじょ)という制度があった。改正法は、この制度の名称を「抵当権消滅請求」と改め、内容も簡素化した。
抵当不動産を取得した第三取得者は、その代価または一定の金銭を抵当権者に提供して、抵当権消滅の請求をすることができる。この請求は、抵当権の実行としての差押さえの効力発生前にのみ可能である。
抵当権者が、第三取得者の提供額に不満のあるときは、抵当不動産を競売してその競売金から債権の回収を図ることになる。抵当権者は、第三取得者から抵当権消滅請求を受けた後2ヶ月以内に競売の申し立てをしないときは、第三取得者の提供額を承諾したものとみなされる。抵当権者が第三取得者の提供額を承諾し、かつ第三取得者がその承諾を得た金額を払い渡し、またはこれを供託したときに、抵当権は消滅する。
(3)一括競売
旧法では、更地に抵当権を設定後、その設定者が抵当地に建物を築造したときは、抵当権者は、土地と建物を共に競売することができた。改正法では、更地に抵当権設定後、設定者以外の者が抵当地に建物を築造した場合も、一括競売ができることとなった。
ただし、その建物の所有者が抵当地の占有について抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、一括競売を行うことはできない。すなわち、Aの更地にBの抵当権が設定された後に、Aがこの土地をCに賃貸してCが賃借権の登記を備え、かつCが抵当権者全員の同意を得てCの賃借権が先順位の抵当権に優先する旨の同意の登記を経たときは、もはやBは一括競売することができない。
(4)短期賃借権の保護の廃止
改正前の民法では、短期賃貸借権(山林10年、土地5年、建物3年以下)は、抵当権の登記後に登記したものであっても、抵当権者に対抗でき、抵当権の実行としての競売がなされても、当該期間は賃借し続けることができた。改正法により、この短期賃貸借権の保護制度は廃止された。
短期賃貸借権制度が廃止された代わりに、新しい賃貸借制度が創設された。すなわち、抵当権設定登記に後れる賃借権であっても、その設定についての登記がなされ、かつ、その登記前に登記したすべての抵当権者の同意を得て、その同意についても登記したときは(前掲(3)参照)、賃借権者は、当該抵当権者及び競売における買受人に対抗できるようになった。この同意の登記後に、抵当権者が抵当権を実行して競売がなされた場合、買受人は、賃借権の負担のついた物件を買い受けることになる。
(5)建物使用者の保護
短期賃借権制度の廃止により、抵当権に遅れる賃借権は、その期間の長短に関わらず、同意の登記等がない限り、抵当権者と競売における買受人に対抗することができなくなった。その代わりに、建物の賃借権に限り、一定期間内に限り賃借人が保護されることとなった。すなわち、抵当権者に対抗できない賃貸借により抵当権の目的たる建物を使用収益するものであって、下記の1.または2.の要件に該当する建物使用者は、建物の競売があっても、買受人の買受のときから6ヶ月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡さなくてもよいことになった(建物明渡猶予期間)。
1.手続きの開始前から当該建物の使用収益を行っている者
2.制管理または担保不動産収益執行により、当該建物の管理人が競売手続きの開始後に行った賃貸借によってその建物の使用収益を行う者。
建物使用者は、6ヶ月間はその建物を買受人に引き渡さなくてもよい。しかし、その間の建物使用料は、買受人に支払う必要がある。この支払いを怠る建物使用者に対しては、買受人は、買受の時から建物の使用の対価について、相当の期間を定めて1ヶ月以上の支払いを催告することができる。その相当の期間内に支払いがないときは、明渡猶予期間は終了する。
都市計画法
「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律」の施行に伴い、都市計画法と建築基準法の一部が改正された。
(1)特定防災街区整備地区
都市計画法上の地域地区(例:美観地区)に、特定防災街区整備地区が追加された。この地区は、防災地域または準防火地域内の一定の区域に定められる。
(2)防災街区整備事業
一定の区域を総合的な計画に基づいて開発する市街地開発事業(例:土地区画整理事業)に、防災街区整備事業が追加された。
(3)開発行為の許可
開発行為とは、建築物の建築または特定工作物(例:コンクリート工場)の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更である。開発行為を行う場合は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、開発許可を不要とする開発行為もある。(例:土地区画整理事業の施行として行う開発行為)。 この許可不要な開発行為に防災街区整備事業内の施行として行う開発行為が追加された。
住宅用語大辞典 |
抵当権
ウィキペディア |
抵当権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/06/08 03:17 UTC 版)
| この項目は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
抵当権(ていとうけん)(羅 hypotheca、英 hypothec、仏 hypothèque、独 Hypothek。ただし、英訳ではmortgageとも)は、日本法を含む大陸法系の私法上の概念で、担保物権の一つ。質権とは違って引渡しを要しないために所有者が抵当権成立後も引き続き使用・収益をすることができる、というのが通有的な性質である。日本民法においては、当事者の合意によって設定される約定担保物権(やくじょうたんぽぶっけん)であり、不動産や一定の動産・財団のみをその目的とし、一般財産をその目的とすることはできない。これは、英米法におけるモーゲージ(mortgage 譲渡抵当とも訳す。)(特にそのうちのリーエン(lien)と構成されるもの)に似るといえ、モーゲージの訳語としても用いられる。
以下、日本法における抵当権について説明する。
- 民法について以下では、条数のみ記載する。
目次 |
総説
抵当権の概要
以下、日本の抵当権(369条以下)を念頭に説明する。
民法は抵当権の内容について「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と規定する(369条1項)。
まず、債権者(抵当権者)は自己の債権を確保するため、抵当権設定者(通常は債務者。物上保証を参照)の不動産または権利(地上権及び永小作権)に抵当権を設定する。抵当権は物権であるから、意思表示のみにより設定できるが(176条)、不動産登記が対抗要件となり(177条)、かつ抵当権の実行には通常、登記事項証明書が必要なため(民事執行法181条1項3号)、ほとんどの場合登記される。
抵当権は同じ物について重ねて設定できる。その場合の各抵当権の優劣は設定された先後(登記されなければ対抗力がないため、実際には登記の順序)による。その先後により1番抵当権、2番抵当権という具合に順位がつけられ、その順番に従って優先弁済を受けることになる。
抵当権の特徴は非占有型の担保物権である点であり、抵当権が設定されても抵当権設定者は抵当権が設定され担保となっている目的物を債権者に引き渡す(占有を移す)必要がない。抵当権としばしば対比されるのが同じ約定担保物権である質権であるが、質権の場合には目的物を債権者に引き渡さなければならない点が抵当権とは異なる。抵当権の場合には、抵当権設定者は引き続き担保の目的物を自由に使用・収益・処分することができるので、目的物の効率的利用が妨げられず、社会的に重要な役割を果たしている。抵当権の設定された目的物の所有権を第三者に譲渡した場合は、抵当権付の所有権が移転することになる(民法はこのような第三取得者との関係を考慮して代価弁済や抵当権消滅請求といった制度を設けている)。
債務者が債務を弁済した場合には、それを担保していた抵当権は消滅する(消滅における付従性)。消滅した抵当権の下位にも抵当権が設定されていれば、順位が繰り上がる(順位昇進の原則)。
債務者が債務不履行に陥った場合には、抵当権が実行されて不動産競売(担保不動産競売)に付され、抵当権者はその代金をもとに他の一般債権者に優先して弁済を受けることで、債権を回収を図ることができる。抵当権が実行され不動産競売により目的物が競落されるとその物に設定されていた抵当権はすべて消滅する(消除主義)。抵当権の実行方法には担保不動産競売のほか担保不動産収益執行などの方法もある。
なお、民法は抵当権の目的につき不動産(369条1項)及び地上権・永小作権(369条2項)と定めているが、これら以外の権利であっても特別法により抵当権が設定できる場合がある(自動車・航空機等。詳細は抵当権の対象あるいは担保物権法を参照)。
抵当権の性質
- 抵当権は被担保債権とともに成立・存続し、被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅するという性質。
- 抵当権は被担保債権の移転に随伴するという性質。
抵当権の沿革
日本の抵当権規定は、ボワソナード旧民法を介して、フランス法・ベルギー法の影響を強く受けている。しかし、民法制定後、日本でドイツ法的解釈が支配的となると、抵当権は交換価値のみを把握する価値権であり、担保に供された物の使用には介入するべきでないと考えられるようになった(特に我妻栄の影響)。もっとも、20世紀末になると、そうしたドイツ的解釈が日本において前提となる必然性はないと考えられるようになった。
抵当権の設定
抵当権の設定は抵当権設定者と抵当権者との間で締結される抵当権設定契約によって設定される。
目的物
抵当権を設定することができるのは、登記・登録制度がある物や権利だけである。これは当該物に抵当権が設定されていることが誰にでも分かるよう、公示する必要があるからである。その典型は不動産であり(369条1項)、地上権と永小作権にも抵当権を設定することができるが(同条2項)、そのような形で利用されることはあまりない(よって以下では物に抵当権が設定された場合を念頭に記述する)。
また、各種の特別法によってその対象が不動産以外にも広げられている。前述のとおり、登記や登録といった抵当権の公示手段があるものである。鉱業権、漁業権、立木(立木法)、船舶(商法848条)、自動車、農業動産、航空機、建設機械、工場(工場抵当という)がある。さらに、企業組織全体をその対象とする財団抵当がある。ここで対象となるのは工場財団や鉄道財団などである。
物上保証
通常、抵当権は債務者の所有物に対して設定される。つまり、債務者=抵当権設定者となる。しかし債務者以外の者が抵当権設定者となって債務を担保する場合もある。この場合の抵当権設定者は債務を負わない(つまり自ら給付を実現する義務を負わない)が自己の不動産の上に他人の債務のための責任だけを負担していることになる。これは債務者以外の者の財産が責任財産となるという点で保証の関係に類似するため、こうした抵当権設定を物上保証(ぶつじょうほしょう)といい、このときの抵当権設定者を物上保証人という。
なお、保証人(連帯保証人)が担保提供する場合は、物上保証の責任だけでなく、保証人(連帯保証人)としての責任もあることは当然である。
被担保債権
抵当権の被担保債権は、通常、金銭債権である。
- 1 抵当権の概要
- 2 抵当権の効力
- 3 第三取得者との関係
- 4 根抵当
関連した本
- 根抵当権の法律と登記 青山 修 新日本法規出版
- 銀行との紳士的戦い方―抵当権消滅請求制度の実務 堤 正利 エコー出版
- 新担保・執行法講座〈第3巻〉抵当権の目的物、抵当権の処分等、根抵当権 民事法研究会
関連した商品
- B51袋【日本法令】根抵当権設定契約書契約21 イケマン楽天市場店
- こうすれば借金・抵当権は消滅する! 楽天ブックス
- 抵当権(根抵当権)抹消登記申請様式集 皆くる総合ネットショップ

