広がる経済格差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 03:24 UTC 版)
「中華人民共和国の経済」の記事における「広がる経済格差」の解説
詳細は「民工」、「流動人口」、「中華人民共和国の戸籍制度」、および「三農問題」を参照 「zh:中华人民共和国国内生产总值」も参照 2016年の1人あたり地区別省内総生産(単位、元)西部中部東部東北内蒙古 72,064 山西 35,532 北京 118,198 遼寧 50,791 広西 38,027 河南 42,575 天津 115,053 吉林 53,868 重慶 58,502 江西 40,400 河北 43,062 黒竜江 40,432 四川 40,003 安徽 39,561 山東 68,733 貴州 33,246 湖北 55,665 上海 116,562 雲南 31,093 湖南 46,382 江蘇 96,887 西蔵 35,184 浙江 84,916 陝西 51,015 福建 74,707 甘粛 27,643 広東 74,016 青海 43,531 海南 44,347 寧夏 47,194 新疆 40,564 2016年の地区別省内総生産合計(上段、単位:億元、%)、人口(下段、単位:万人、%)及び構成比。西部中部東部東北GDP合計及び構成比 156,828.17(20.1%) GDP合計及び構成比 160,645.57(20.6%) GDP合計及び構成比 410,186.44(52.6%) GDP合計及び構成比 52,409.79(6.7%) 人口合計及び構成比 37,414(27.1%) 人口合計及び構成比 36,709(26.6%) 人口合計及び構成比 52,951(38.4%) 人口合計及び構成比 10,910(7.9%) 西部大開発の目玉である青蔵鉄道終着駅のラサ駅 農村の労働者が大挙して都市に向かい、農村の人口が減少した江南の某農村。 繁栄する上海(浦東の夜景) 日系企業が集まる大連(空から見た大連港、2005年1月) 1995年から1999年の間、中央銀行による金融引き締めならびに食糧価格の上昇を防いだことを反映し、インフレは収束した。同時に中国政府は(a)省、企業、個人から歳入を増やすこと、(b)腐敗及び経済犯罪の減少を減らすこと、(c)経済成長しているにもかかわらず、経営改革が進まないことにより労働者に十分に賃金や年金が払えず倒産しかねない多くの大規模の国有企業を破綻させないことに努めてきた。 改革開放以降、農業生産額が増加し、農家所得も徐々に向上してはいるが、沿海都市での急速な工業発展や住民の所得増加には追いつけず、都市と農村の格差は拡大している。沿岸部(東)と内陸部(西)間の経済格差—例えば2005年において上海と貴州省の1人あたり収入は表を見ても分かるように約10倍と拡大している--、農村‐都市間の経済格差—2005年には都市住民の一人当たり賃金は10,493元なのに対し、農村の一人当たり純収入は3,255元に過ぎず、その格差は都市:農村=3.22:1となっている。経済格差のため、農村から都市部へ多くの労働者が豊かさを求め出稼ぎし、低賃金の日雇いの仕事に従事している。農村から都市への人口移動は合法的に、あるいは水面下で続き、農村は労働力の確保に苦慮している。 地域間経済格差を是正する為、西部大開発が実施されている。また、中国政府は農業保護に重点を置き始め、2006年からは農業税の全廃を実施した。これは春秋時代の魯以来、中国の農民に課されてきた地税が約2600年ぶりに撤廃された歴史的決定で、中国は封建体制から毛沢東主義まで前提となっていた農業中心社会から改革開放政策による商工業中心の社会へと移行した事を象徴する出来事になった。
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