宮澤弘幸・レーン夫妻軍機保護法違反冤罪事件とは? わかりやすく解説

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宮沢・レーン事件

読み方:みやざわレーンじけん
別名:宮澤・レーン事件、レーン・宮沢事件レーン・宮澤事件、宮澤弘幸・レーン夫妻軍機保護法違反冤罪事件

1941年日米開戦直後に、日本人学生米国人夫妻特高警察逮捕されそれぞれ懲役12年から15年の刑を受けた事件逮捕至った容疑は「軍機保護法違反」、すなわちスパイ容疑であった2013年11月現在、この事件冤罪であったという見方大勢占めている。

この事件逮捕されたのは、当時北海道大学学生であった宮沢弘幸と、同大学の講師であったアメリカ人のハロルド・レーン、ポーリン・レーン夫妻である。宮沢弘幸およびレーン夫妻一貫して無罪主張したが、取り調べ過程では、特高警察により激し拷問が行われたといわれている。宮沢氏は懲役15年確定して網走刑務所送られ終戦後釈放されたが、服役時の栄養失調原因として肺結核罹患し1947年27歳死亡している。レーン夫妻は夫が懲役15年、妻が懲役12年判決を受け、1942年から苗穂刑務所服役していたが、翌年9月交換船日本人捕虜引き換えに、本国強制送還された。夫妻戦後1951年再来日し、夫のハロルド・レーンは北海道大学講師として復帰したが、夫は1963年、妻は1966年死亡している。

軍機保護法では「軍事上の秘密探知し又は収集したる者は6月以上10年以下の懲役」と定められていたが、宮沢弘幸逮捕され原因となった「探知」された「秘密」の内容長らく明らかにされてこなかった。1980年代後半弁護士の上田誠吉がこの事件について調査行い、「秘密」の内容千島樺太旅行単なる見聞であったことや、漏洩した秘密」の一つとされた根室飛行場存在が、当時公知のものであったことなどが明らかにされている。

2013年11月現在、宮沢・レーン事件は、国会で審議されている特定秘密保護法案成立反対する人々によって言及される例が多い。反対派人々は、軍機保護法における「秘密」の適用対象拡大したことが宮沢・レーン事件のような冤罪事件引き起こしたとするとともに特定秘密保護法案軍機保護法類似性指摘し特定秘密保護法にもそのような拡大解釈起こす余地があると批判している。

宮澤弘幸・レーン夫妻軍機保護法違反冤罪事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/11 07:15 UTC 版)

宮澤弘幸・レーン夫妻軍機保護法違反冤罪事件(みやざわひろゆき・レーンふさい ぐんきほごほういはんえんざいじけん)は、1941年(昭和16年)に発生した軍機保護法違反罪の冤罪事件。宮澤・レーン事件と通称される。


注釈

  1. ^ 1942年3月31日付けで退職となっている[12]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 北大PG 2019, p. 48.
  2. ^ 『官報』第3983号、昭和15年4月18日、p.867.NDLJP:2960481/16
  3. ^ 『官報』第3982号、昭和15年4月17日、p.804.NDLJP:2960480/17
  4. ^ a b c d e f g h 北大PG 2019, p. 47.
  5. ^ 『北海道帝国大学一覧 自大正9年至大正11年』北海道帝国大学、1922年4月1日、215頁。NDLJP:940224/115 
  6. ^ a b c d 北大ACM 2019, p. 121.
  7. ^ a b c d 北大ACM 2019, p. 122.
  8. ^ 『北海道帝国大学一覧 昭和16年』北海道帝国大学、1941年11月20日、302頁。NDLJP:1460484/159 
  9. ^ a b 北大ACM 2019, p. 118.
  10. ^ 北大ACM 2019, pp. 118–120.
  11. ^ a b c d e f g h i j k 北大PG 2019, p. 49.
  12. ^ 『北海道帝国大学一覧 昭和17年』北海道帝国大学、1942年12月20日、351頁。NDLJP:1461414/183 
  13. ^ a b c d 北大ACM 2019, p. 120.
  14. ^ 法曹会 編『大審院刑事判例集』 22巻、11号、法曹会、1943年、177-187頁。NDLJP:2627870/156 
  15. ^ a b c d e f g h i 北大ACM 2019, p. 124.
  16. ^ a b c 北大ACM 2019, p. 126.
  17. ^ 内山 2021b.
  18. ^ a b c 北大ACM 2019, p. 125.
  19. ^ 北大ACM 2019, p. 129.
  20. ^ a b c d e f 北大PG 2019, p. 50.
  21. ^ a b c 北大ACM 2019, p. 128.
  22. ^ 北大ACM 2019, pp. 125–126.
  23. ^ a b c d 内山 2021a.


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