宗存版木活字とは? わかりやすく解説

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宗存版木活字(付属品共)

主名称: 宗存版木活字(付属品共)
指定番号 110
枝番 0
指定年月日 2000.12.04(平成12.12.04)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 174261点
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 宗存版木活字は、江戸時代前期伊勢常明寺天台僧宗存の発願ほつがん】によって行われた一切経いっさいきょう】の出版事業(宗存版)に用いられ活字である。近年まで、大津市坂本所在する慈眼堂じげんどう境内土蔵納められていたが、平成二年(一九九〇)から延暦寺滋賀県教育委員会によって整理調査が行われ、その全貌明らかになった。
 木活字は、未使用のものを含め一五以上に及ぶが、うち約一四箇が経典本文用の活字である。その他、頭注用【とうちゆうよう】のやや小型活字割注【わりちゆう】や版心はんしん】に使われる幅の狭い活字大型梵字活字、「般若波羅蜜多のような連続活字などがある。これらのうち、「某甲」「云々」といった二字合字活字注釈用の陰刻いんこく活字梵字活字一部は、現存する宗存版刊本文字一致し、宗存版の活字であることの証拠となっている。材は多くサクラであるが、一部カバノキ・ブナなどを用いる。活字中には、彫字面ちょうじめん】や底面墨書ぼくしょ】や白書はくしょ】のあるもの、底面紙片貼ったもの、両面に文字彫ったものなどがあり、活字作成印刷工程研究する上に貴重な情報含まれている。
 付属品には罫線材・字間材・行間材・板木等がある。罫線材は匡郭きょうかく】や科文【かもん】の線などに使用されるもので、直線の他にカギ形コの字形の材も見られる字間材は、印刷時に本文活字の間に配置して字間調整する木片で、宗存版では字間材によって一行一四字とした版本がある。行間材は同様に行間調整する棒状の材で、これも該当する版本確認される
 宗存の履歴明らかでないが、現存する経典刊記によれば慶長十七年(一六一二)に一切経開板発願して勧進状作成し、翌十八年に京都北野経王堂【きょうおうどう】を拠点に、事業着手した。現在、宗存版の刊本一四〇種が確認されているが、その刊行年は慶長十八年から寛永元年一六二四)に及んでいる。
 江戸時代前期には、活字印刷による出版盛んに行われたそのうち徳川家康主導した伏見版ふしみばん】(平成四年六月二十二日付指定)および駿河版するがばん】(昭和三十七年六月二十一日指定)の活字はすでに重要文化財指定されている。宗存版木活字は、これら最初期出版に続く、古活字版印刷用いられたもので、ともに伝来した付属品含めわが国印刷文化史上に価値が高い。



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