孤児著作物とは? わかりやすく解説

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孤児著作物

読み方:こじちょさくぶつ
別名:孤児作品オーファン・ワークス権利の所在が不明な著作物
英語:orphan works

著作権保護され作品のうち、権利者所在確認取れない作品のこと。

孤児著作物が発生する例としては、著者ペンネームなどの変名用いている場合や、著者死亡企業倒産法人解散などに伴い権利譲渡が行われたものの、譲渡先不明な場合などが挙げられる著者没年明らかでない場合には、著作物パブリックドメインとなっているか否か不明となる。

過去の作品デジタルアーカイブ化や、復刻版刊行などを行う際には、孤児著作物の存在が特に問題となる。世界的に孤児著作物の数は極めて多く、その数は著作権の保護期間延長などに伴い増加傾向にあるといわれている。例えば、国立国会図書館で「近代デジタルライブラリー構築のために明治期図書調査されたところ、約70%が孤児著作物であったまた、NHKは「NHKアーカイブス」として過去放映した番組公開しているが、連絡つかない出演者多かったことなどから、開設後6年間で、公開至った作品全体1%程度に留まった。

著作権法67条では、「相当な努力払ってもその著作権者連絡することができない場合」に、文化庁長官裁定を受けることと補償金供託条件として、その著作物利用することができると定められていることから、孤児著作物を利用する手段が全く無いわけではない。しかし、「相当な努力」という基準客観性乏しいことや、著作物実際にパブリックドメインである場合にも補償金支払なければならないことなどが問題視されることもある。

また、2014年現在ベルヌ条約TRIPS協定などの国際条約では、孤児著作物の権利について規定されていない各国が孤児著作物の利用可能性拡大する法制度整備するにあたっても、それらの国際条約制限を受ける場合がある。

関連サイト
著作権法 - 総務省e-gov
EUにおける孤児著作物への対応 - カレントアウェアネス・ポータル

こじ‐ちょさくぶつ【孤児著作物】

読み方:こじちょさくぶつ

権利者身元所在不明な著作物権利者から使用許諾を得ることができず、著作物活用支障をきたす日本では著作権法規定により、文化庁長官裁定受けて利用することができる制度設けられている。オーファンワークスオーファン作品孤児作品


権利の所在が不明な著作物

(孤児著作物 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/06 03:24 UTC 版)

権利の所在が不明な著作物(けんりのしょざいがふめいなちょさくぶつ)[1]とは、著作権所持者の特定ができない著作物をいう[1][2][3][4]英語では孤児や親のない子になぞらえて、「orphan works」と呼び[2]日本語でもこの語を音写した外来語オーファンワークス」が通用している[2]。加えて日本語では同じ意味合いで「孤児著作物[2][3]」「孤児作品[2][4]」「権利者不明作品[2][5]」「オーファン作品[2]」という名称が用いられている。


注釈

  1. ^ ノーライセンスのタイトルは除いている。

出典

  1. ^ a b 権利者不明著作物”. アスキー社『ASCII.jpデジタル用語辞典』. コトバンク. 2019年5月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g オーファンワークス”. 小学館日本大百科全書:ニッポニカ』. コトバンク. 2019年5月4日閲覧。
  3. ^ a b 孤児著作物”. コトバンク. 2019年5月4日閲覧。
  4. ^ a b 孤児作品”. コトバンク. 2019年5月4日閲覧。
  5. ^ 権利者不明作品”. コトバンク. 2019年5月4日閲覧。
  6. ^ 福井健策『誰が「知」を独占するのかーデジタルアーカイブ戦争』〈集英社新書〉2014年、第5章 最大の障害『孤児作品』。ISBN 978-4087207569 
  7. ^ Orphan Works and Mass Digitization - A Report of the Register of Copyrights” (PDF) [著作権者不明の著作物と大衆デジタル化 - 著作権登録に関する調査レポート] (英語). USCO (2015年6月). 2019年2月22日閲覧。
  8. ^ Orphan Worksの利用に関する法律案、議会で検討中(米)
  9. ^ Underground fair use test site
  10. ^ 第1回 福井健策「誰のための著作権か」2/4”. DOT Place (2014年10月24日). 2015年2月14日閲覧。
  11. ^ 『ひびや : 東京都立中央図書館報』第92号、4頁。NDLJP:3463132/4
  12. ^ 著作者情報公開調査(国立国会図書館)
  13. ^ “ACCS、不明ファミコンソフトの著作者捜しにおける経過を報告”. ITmedia. (2004年2月3日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0402/03/news060.html 
  14. ^ “「宝生舞さんを探しています」過去の番組出演者を探すWebサイトで情報提供呼びかけ”. ねとらぼ (ITmedia). (2015年6月16日). https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1506/16/news146.html 2015年10月10日閲覧。 


「権利の所在が不明な著作物」の続きの解説一覧

孤児著作物

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 01:18 UTC 版)

語源

英語 "orphan work" の直訳より。

名詞

孤児著作物こじちょさくぶつ

  1. 著作権者不明状況にある著作物オーファンワークス孤児作品

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