商業映画との絶縁を宣言とは? わかりやすく解説

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商業映画との絶縁を宣言

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 15:14 UTC 版)

ジャン=リュック・ゴダール」の記事における「商業映画との絶縁を宣言」の解説

1967年 - 1979年たのしい知識』 - 『うまくいってる?1967年8月に、ゴダールアメリカ映画世界席巻君臨することを強く批判し、自らの商業映画との決別宣言文発表した。 「われわれもまた、ささやかな陣営において、ハリウッド、チネチタ、モスフィルム、パインウッド等の巨大な帝国真ん中に、第二第三ヴェトナム作り出さねばならない。 そして、経済的に美学的にも、すなわち二つ戦線拠って戦いつつ、国民的な自由な兄弟であり、同志であり、友であるよう映画創造しなくてはならない。」 — ゴダール、『ゴダール全集4巻1968年刊) パリ五月革命先取りしたとも言われる中国女』(1967年)において既に政治的な傾向顕著になっていたが、それが明確になったのは1968年第21回カンヌ国際映画祭における「カンヌ国際映画祭粉砕事件」だった。 映画祭開催9日目の5月19日会場ジャン=リュック・ゴダール現れコンペティション部門出品されていたカルロス・サウラ作品上映中止させようとした。ヌーベル・バーグ運動の中心的人物だったゴダールフランソワ・トリュフォーフランスで行われていた学生労働者ストライキ運動連帯し警察弾圧政府映画業界あり方への抗議表明としてカンヌ映画祭中止呼びかけクロード・ルルーシュクロード・ベリジャン=ピエール・レオジャン=ガブリエル・アルビコッコらと会場乗り込んだ審査員モニカ・ヴィッティテレンス・ヤングロマン・ポランスキールイ・マルもこれを支持して審査放棄し上映審査中止求めたコンペティション出品していたチェコスロヴァキア監督ミロシュ・フォルマン出品取りやめを表明したその結果この年カンヌ映画祭中止になった。 しかし、この事件きっかけとして映画作家政治的主張違い鮮明になり、作家同士蜜月関係にあったヌーヴェルヴァーグ時代事実上終わりを告げる至ったプライベートでも、女優アンナ・カリーナ1965年破局決定的になり、『中国女』への出演機に1967年アンヌ・ヴィアゼムスキーゴダール新たなるパートナーとなったこの後ウイークエンド』(1967年)を最後に商業映画との決別宣言し勝手に逃げろ/人生』(1979年)で商業映画復帰するまで、政治的メッセージ発信する媒体として作品制作を行うようになる。 また商業映画への決別と同じタイミングで、作品に「ジャン=リュック・ゴダール」の名前を冠することをやめ、「ジガ・ヴェルトフ集団」を名乗って活動を行う(1968年 - 1972年)。ソビエト映画作家ジガ・ヴェルトフの名を戴いたこのグループは、ゴダールと、マオイスト政治活動家であったジャン=ピエール・ゴラン中心とした映画製作集団で、この時期パートナーであるアンヌ・ヴィアゼムスキーメンバーとして活動加わった1972年、『ジェーンへの手紙完成をもってグループ解散ゴダールアンヌ=マリー・ミエヴィルとのパートナーシップ体制に入る。 この時期ゴダール映画政治的なメッセージ発信の手段として明確に位置づけその手段として、膨大な映像断片文字引用スローガン台詞ナレーション)とを大量に列挙してみせた。 ローリング・ストーンズ出演しアルバムベガーズ・バンケット』のレコーディング風景収録されたことで多く話題呼んだワン・プラス・ワン』(1968年においては様々な場面や場所で多様な人が政治的なメッセージ読み上げるシーンと、試行錯誤しているストーンズのリハーサルシーンとを交互に重ね合わせることにより、当時政治的な状況映画作品として再現する実験試みている。

※この「商業映画との絶縁を宣言」の解説は、「ジャン=リュック・ゴダール」の解説の一部です。
「商業映画との絶縁を宣言」を含む「ジャン=リュック・ゴダール」の記事については、「ジャン=リュック・ゴダール」の概要を参照ください。

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