和裁の特徴とは? わかりやすく解説

和裁の特徴(洋裁との違い)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 22:46 UTC 版)

和裁」の記事における「和裁の特徴(洋裁との違い)」の解説

型紙使わない パーツがすべて長方形であるため型紙を使う必要がないが、地直しをして布目整え裁ち線を正確に布目に沿わせる(布目を通す)必要がある。 ほどくことを前提に縫う 和服日常であった時代には、きものの洗濯はすなわち洗い張りであったことによる洗い張りの際は縫い目をすべてほどいて長方形パーツに戻すが、傷んだ取れない汚れのついたパーツ向き変えて表から見えないようにしたり、目立たない部分パーツ入れ替えたり(これを「繰り回し」という)、また、縫い代の幅を変えて寸法変えるなどして仕立て直すことは現在でも行われるまた、長着羽織や帯にしたり、長着布団や座布団にしたりなど、別の種類のものに仕立て替えることも昔はよく行われていた。 縫い始め縫い終わりには極力玉留め作らず返し縫い始末する。これはほどきやすさのためでもあり、絹物薄物縫い目をごろつかせないためでもある。 子ども用の着物には肩揚げ腰揚げ施し成長して体が大きくなっても揚げの幅を変えたり揚げ自体をほどいたりすることで対応できるようにする。 縫い代余った部分は切り落とさず縫い込んでおく これも仕立て直し前提としているためである。年齢体型に応じて縫い代分の範囲内ではあるが、袖丈身丈裄丈身幅変えられるこのため体型の違う親族間などで着物譲り受けることも容易である。羽織場合流行好みに応じて着丈変えることができる。 余った縫い代裁ち落とす方法は「総落とし」といい、ごく少数の者だけが行う非常に贅沢な仕立てであった。現在ではこの手法は、紗など薄物透ける生地美しく仕立てる場合使われるまた、ほとんど直線縫いであり、なおかつ反物着物基本寸法前提織られているため、反物の「耳」が活用でき、布端始末を必要とする部分少なくて済む。この点も縫い代折り込んでおくことを容易にしている。 すべて手縫いで縫う ミシン一般的になったのちも手縫い縫われるのは、やはりほどくことが前提であるためである。ミシン縫ったものはほどきにくく、縫い目のところで布が傷んだり跡が残ってしまう。また、手縫いによる適度なゆるみが着心地良さにも影響するともいわれる。 現在ではウール着物浴衣にはミシン縫いのものも多いが、高級な木綿着物絹物はすべて手縫い仕上げる。 基本となる「ぐし縫い」を運針といい、布を持った手は動かさず、針を持ったの手先を上下動かし、針が布に対して角に通るように縫い進める。均等安定した運針素早く行うための訓練が重要となる。 縫い目できるだけ見せない 縫い合わせた部分縫い目割り開かず縫い目見えないよう一方布地を1ミリ以下の幅で縫い目部分にかぶせるようにして折り開く。この技法を「きせをかける」という。袖の下端など割り開かない部分は、両側から同じ幅できせをかけて付き合わせる。これを「毛抜き合わせ」という。

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